はあ、縁結びって、マジ面倒くさい──。
軽やかな口調の語り手は縁結びの神様。
人間があれこれお願いするからせっせと縁を結ぶ。
なのに、結ばれた縁に不満があるってどういうこと⁉︎ とご不満な様子。
神様も大変だなぁと読んでいたら、なんだかいろいろと大変なことに!
違う神様! そうじゃないんです!
え⁉︎ ごめんなさい、そうなんです人間ってめんどくさいんです、お許しください!
でも神様、そうじゃないんです!
だってこれじゃあ大変なことになるじゃないですか!
……あれ?
私はどなたに向かって喋っていたのでしょう?
神様……。神様……?
短い中にいくつもの驚きが仕掛けられた物語、ぜひぜひ!
お、おいおい……こいつはなんかヤバそうだぞ?
読み進める中で、そんな感慨が自然と浮かんできます。
本編の主人公は、何やら「願い事」を聞き届けるようなことをしている存在らしい。
「神頼み」みたいな形で様々な願い事をしに来る人々。それを叶えようとは思っているものの、どうも「人間が何を願っているのか」という感覚がよく理解できていない。
現代の人間の事情。人間の願い。その辺りはよくわからないけれど、何か叶えなきゃ、という想いだけはしっかりとある。
……何やら、すごく不穏な感覚が。
その後の展開。そして、明かされる真実。
「彼ら(または彼女たち)」にとって人間が「未知」なものを抱えている一方で、人間は人間で「拝んでいる対象」について「無知」でもある。
やはり、なんでもかんでも「神頼み」みたいなことをするのは危ないのかもしれない。そう思わされる一作でした。