あの世とこの世の境目

あの世とこの世の境目に暮らす、十数人の住人たち。
そこには、昔から一つの“決まり”があった。

しゃがめば、綺麗な音楽が流れる。
だが、ジャンプをすると――不気味な笑い声が聞こえる。

母から聞かされた、決まりを破った老人の話。
それでも主人公は、好奇心から一度だけ、跳んでしまう。

気味の悪い笑い声は、なぜか耳の奥に残り続け、
やがて日常と異変の境目は、静かに曖昧になっていく。

――これは、
「あの世」と「この世」の境目で起きた、取り返しのつかない出来事。