『店長助けてくたさいよー』

志乃原七海

第1話『究極のオーダー』



***


### タイトル:『究極のオーダー』


**【登場人物】**

* **私**:美容師。不測の事態に弱い。

* **お客様**:体格の良いスキンヘッドのイケおじ。すでに完成されたヘアスタイル(無毛)。

* **店長**:私のSOSにより、無理ゲーに巻き込まれた被害者。


**【本編】**

ある日の美容室。

ドアが開くと、そこには**体格の良い、スキンヘッドのイケおじ様**が立っていた。

ピカピカに輝くその頭は、どこからどう見ても完璧な「スキンヘッド」だ。


私はすかさず微笑んでお出迎え。

**私** 「いかがなさいましょうか?」


メンテナンスかな? ヘッドスパかな?

そんな私の予想を裏切り、おじ様は渋い声でこう言い放った。


**客** 「む? **丸くハゲ刈りに!**」


**私** 「???」


(え……?)

(丸く……?)

(ハゲ刈りに……?)


いやいやいや!

**これ以上どこをどう刈れと!?**

ていうか、もう**ゴールしてますよね!?**


脳内処理が追いつかず、パニックになった私は、バックルームに向かって絶叫した。


**私 「店長ーーーッ!! 助けてーーー!!!」**


駆けつけた店長に向けた、私の心の叫びはただ一つ。


技術的なヘルプじゃないんです。

このお客様に、どうか教えて差し上げてください。


**『お客様、お前はもう……ハゲている(完成している)』と!!!**


(完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『店長助けてくたさいよー』 志乃原七海 @09093495732p

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る