歯に衣着せぬ 過・ぎ・る 主人公。

 蒲田とか雑色などの地名が散見されて惹き込まれた次第だが、物語を通して、大阪弁の一人称視点には心底驚いた。
 それなりに新鮮味があるものの、「歯」を「歯ぁ」と表記する点など、一部読みづらさを感じる部分がある。ただ、それも大阪弁たる矜持だと思えば、あまり問題はない。

 とにかく主人公が非常に無秩序な性格をしている。歯に衣着せぬ発言や、度重なる強制猥褻一歩手前の行為が、タイトルから先も人を選んでしまいそうな予感がする。
 とはいえ、先の痴漢でヒロインが主人公を善人だと認識していることで、猛烈に抵抗しない所以と釣り合いを取っており、読み進めればどうにかなる話だとは思う。

 個人的にかなり面白いと感じた。万人受けよりも、主人公の思考に刺さる一部のファンで成り立つ作品ではあるが、今後の展望に期待したい。