小さな一歩が、やがて帝国を動かす

 この『雷槍皇女ラフィーナのビザンツ再興記』は、ただの転生×歴史ファンタジーじゃありません。島育ちの少女ラフィーナが、中世ビザンツ帝国の病弱皇女イリニとして新たな人生を歩み始める――その「歩み」が、本当に一歩ずつのリハビリから始まるのが新鮮で、とてもリアルなんです。

 そして、次第にラフィーナは“強さ”を力や奇跡に求めるのではなく、日々の積み重ねや、家族・仲間と助け合うことに見出していきます。壮大な歴史のうねりや、ビザンツ宮廷の権謀術数も見どころですが、なにより印象に残るのは「どんな困難も、ひとりじゃない」という確かな絆。龍との戦いは迫力満点ですが、ラフィーナが自分なりの答えを見つけていく過程も感動的です。

 歴史好きや転生ファンタジー好きはもちろん、地道な成長や仲間とのつながり、人生の再出発に心を寄せたい方におすすめの一作です。新しい希望と冒険の予感を感じたいあなたにも、ぜひ手に取ってほしい物語です。

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