第2話 顔出さない、年齢出さない、仕事

スキル授可理処に昨日行って不老不死になった次の日の朝、日曜日。


いっや〜、冷静になって考えると不老不死って何よ。

脳天に銃打たれても死なないのはわかったけど、

打たれた傷跡ってどうなるわけ?

すぐ治るとか?


まぁ自衛隊とかに入るつもりもないし、関係ないか。

それにしてもこのスキル、めっちゃ仕事就きにくくない?

ていうかどうしよ。


本当に現代社会でこのスキル活かせる仕事ってなくない?


あー、考えんのだるい。

学校の外では絶対見せないような、

表情筋が完全に仕事放棄してる顔でスマホを手に取る。


とりあえず調べてみるか〜。


顔出さない 年齢出さない 仕事

……この字面、だいぶ犯罪臭するな。


「えーっと? webライター、動画編集、データ入力、文字起こし、ライブ配信……」


検索結果を流し見していると、

ライブ配信、Vtuberという文字が目に留まった。

顔出し不要。

年齢非公開。


え?

なにこの職業、私のためにあるんじゃない?


「いやいや、でも売れないと金にならないし、

炎上商法とかも聞くしな〜。

私がやらないにしても……」


そう思いながらも、気づいたらMeTubeを開いていた。

あ、昼前でも配信あるんだ。

画面の向こうでは、


ライバーがコメントを拾いながら雑談している。

コメント欄は流れるように動いていて、

なんだか全体が楽しそうだった。


……え?

これで稼げるの?

いや、すぐ収益化はしないだろうけど。


でも、お金とかそういうのよりも。


楽しそう。


顔も出さない。

年齢も関係ない。

ずっと同じ姿でも、不思議がられない。


「……長く続けられる、か」

もうちょっと、調べてみようかな。



数時間後。

「ママ、パパ。私、Vtuberやってみたいの」

配信を見て、調べて、

気づいたら頭の中はそればっかりになっていた。

最初は二人ともびっくりしてたけど、

最終的にはあっさりOKが出た。


「らゔの好きにしなさい」


「……なんか、拍子抜けって感じ〜」

もっと、

ちゃんとした職にしなさい、とか言われると思ってたのに。

まぁ、不老不死な時点で普通じゃないけど。


「ふふ、あんたね。親舐めんなってことよ」

「じゃあ決まりだね。機材とかガワとか、準備しないと」


「パパ、なんでそんな乗り気なのよ」


パパは腕を組み直してから、少し得意げに言った。

「だってさ、

なかなか出番のないパパの経済力を見せるチャンスじゃん」


はぁ〜。

こういうとこが、うちのパパ残念なんだよねぇ。




そんなこんなで、

私はVTuberになることになったのだった。

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2026年1月10日 22:00
2026年1月12日 22:00
2026年1月14日 22:00

え?私、【不老不死】なんですか?〜普通の職業就くの勿体無いんでVtuber始めます〜 そこら辺の誰か @Thenekozuki1217

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