物語を通じて自分の心と向き合えた良作

  • ★★★ Excellent!!!

とても前向きになれる素晴らしいお話でした。

物語が自分の内から外へ出たがっているという表現、感覚的に伝わってきます。村上春樹氏(村上春樹氏じゃなかったらごめんなさい)何かの物語の中で、”この物語は語られたがっている”と言っていたのと重なりました。

つくることは主人公の私に確かな強さをくれた。それも完全無欠な強さではなく、粘り強く生き抜こうとする強さ。
恋人を追い詰め、失踪してしまったことを乗り越えるのは容易ではない。アルコールが毎日必要だったのも。広すぎる部屋に一人暮らしし続けていたのも。結婚にまつわる情報の一切合切を処分できなかったのも。みんなみんな、手放したいのにできなかった。だけど物語が手放させてくれた。ちゃんと朝ごはんを食べられるほどに。読んでて、そう思いました。

擬態語がカタカナではなくひらがな表記なところが、優しくたおやかで、作者様の表現する世界観がすっと入ってきました。面白かったです。ありがとうございます。

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