ほのぼの異世界転移に、小さなスリルをトッピング。

ゾクっとする異世界転移から始まりますが、その後はどこか落ち着いた空気で物語が進んでいきます。
個人的には、こうしたほのぼの寄りの異世界ものが好きなので、安心して読み進めることができました。

物語は小さな出来事とその解決を積み重ねていく構成になっていて、読者も主人公たちと同じ目線で、少しずつ異世界に慣れていく感覚を味わえます。

ヒロインは、表に見せる態度と内面の自己評価にズレがあり、その不器用さが印象的。
強がりと弱さが同居していて、ふとした瞬間に可愛らしさを感じさせてくれます。

主人公もまた万能ではなく、迷いながら選択を重ねていく存在。
だからこそ、これからの成長や二人の関係の変化を、ゆっくり見守りたくなりました。

ほのぼのとした異世界の空気感の中で、二人の旅路を楽しめる作品だと思います。