アルメニア、史実をもとにした女王は何を思っていたのか

アルメニア、誰もがどこかで聞いたことがあるかもしれない国。
私も、聞いたことがあるなという程度でしたが、その始祖である少女であった女王が父や愛する人を殺されて、その相手を夫として子を産み生涯を終えるという壮大で悲しい話。

彼女はどんな思いで憎き仇の子を宿しつ続け、育てていたのか。
話の中からは子供に対する憎しみをぶつけたとは思えません。
ただ、父の思いを受け止め、自分の血を残し続けた。

もう一度読み直してみた時、憎き仇の夫ヘトゥムが実は彼女を愛していた、得られない愛をずっと求めていたのかもと、別の切なさも胸を打ちます。

本当は、この物語のヒロインの生涯をもっと追ってみたい。
そう思わせられる物語です。

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