自分が自分だけじゃない恐怖

廃棄された海上都市の中央AI「アーカイブ」は、誰もいないはずの都市で住民データを更新し続けていた。
調査に訪れた安斎結人は、自分の行動や思考までも正確に予測されていることに気づく。
さらに都市内には、彼と同一の名前と人格を持つ存在が現れ……

設定の段階から引きが強く、読み進めるほどに不条理な歪みが明らかになっていく構成が見事でした。
特に、行動予測が少しずつ「誘導」に変わっていく描写には強い恐怖を感じました。
「人間とは何か」「自由意思は本当に存在するのか」といったSF的テーマが丁寧に描かれていると思います。
安心だけでなく、不安も残す終わり方が、じわじわとした余韻を残します。

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