概要
「この列車に乗るのよ、カイト。また春になれば、会えるじゃない」
零細な簡易軌道でも、私達にとっては外の世界につながる、頼もしい存在だった。
でも、今日を最後に次は、春が来るまで列車の運行はない。その最後の日に合わせて、カイトは私に会いに来てくれたのだった。
「この列車に乗るのよ、カイト。また春になれば、会えるじゃない」
吹雪に覆われた辺りの風景のように真っ白になった頭で、泣き出したいのを必死でこらえて、私は強く言った。
【完結】メトロポリタン・ストーリーズ 【SF掌編集】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611
でも、今日を最後に次は、春が来るまで列車の運行はない。その最後の日に合わせて、カイトは私に会いに来てくれたのだった。
「この列車に乗るのよ、カイト。また春になれば、会えるじゃない」
吹雪に覆われた辺りの風景のように真っ白になった頭で、泣き出したいのを必死でこらえて、私は強く言った。
【完結】メトロポリタン・ストーリーズ 【SF掌編集】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読者も共に春を待つ
この作品を読んだのは実は少し前だったりする。うおお、こんなの書きてえ! と影響を受けて自作の執筆に走ってしまい、レビューを書くのを忘れていたのだ。自作を一気に書きあげて何だかレビューを書いた気になっていた。そのくらい本作は自分には突き刺さってしまったんである。
言い訳はこのくらいにして、本作の魅力を述べる。そもそも作者ご自身が掌編と銘打っている通り、三千字強の短い作品だ。にもかかわらず冒頭から読み手の想像の世界がドカンと広がる。森林軌道の列車を待つ一人の女性の目を通して、険しい山道の奥、冬には雪に閉ざされる山間の集落、街と集落を結ぶ軌道線の鉄路の鈍色、木炭エンジンが噴き上げる黒煙、そして…続きを読む