丸男が、ある朝目覚めると自分の部屋で謎の少女と出会う——
そこから物語は始まります。
もう、この導入からグイグイと世界観に引き込まれました。
少女が「自分はカメムシの世界から来たカメムシで、人間の姿に変えられて人間界へやって来た」と語るのですから、その先が気にならずにはいられません。
当然、丸男一家も大いに戸惑うことになりますが、母親を中心に「カメ子」を受け入れ、一緒に暮らし始めることに……。
この時点ですでに設定の飛躍が素晴らしいのですが、なにより魅力的なのはカメ子と人間界との間に生まれるカルチャーギャップです。
これが上質なコメディ要素となって笑いを誘い、読んでいて何度もクスッとさせられました。
しかもカメ子にはカメムシならではの特殊な力があるため、家族愛を土台にしながらも、物語のスケールはどんどん広がっていきます。
家族の背景や設定にも重みがあり、単なるコメディで終わらない深いドラマが本作には息づいています。
現代における「多様性」の寓話にもなっており、やがて物語は未確認飛行物体や侵略者の登場によって、さらに壮大なSFへと加速していく。
「まさかあのカメムシが?」と、読み手の予想を遥かに超えてくる展開には、誰もがあっと驚かされるはずです。
まだ拝読の途中ですが、この壮大な物語がどのような着地を迎えるのか、気になって仕方がありません。
「想い」を何より大切にする、この異色のカメムシワールドにぜひ驚き、そしてお楽しみください。
思えば日本のファンタジーは様々なものを擬人化してきました。
ドラゴンが出てくれば、ハーレム要員で美少女化するんだなと予想されてしまうほど。
逆に人間が異世界転生して人間とは別のものになってしまうのも星の数ほど。スライムや蜘蛛に飽き足りず、しまいには武器や自動販売機にまで。
そしてここに新たな擬人化ヒロイン誕生です。
それはカメムシ。……カメムシ?
皆さんはカメムシにどんなイメージを抱いているでしょう?
臭い匂いを出して、野菜に被害を与える……害虫じゃねえか。
でも、この作品に出てくるカメ子さんは違います。
下手な人間よりよっぽど人間らしく優しく良い子。
元が虫だから全身緑だし、ちょっと常識を知らないところがあったり、臭い匂いを出したりするけれど。
そんな純朴なカメ子が主人公丸男らと日々を過ごしていく優しい物語。
みなさんもぜひ、カメ子の優しい心に触れてください。
「あたしはカメ子、カメムシのカメ子」
……私たちの会社や家にたまに現れる、あのカメムシが人間として現れて……ヒロインですって!?
人間の世界にやって来たカメ子は、常識も価値観もまるで違います。
その無邪気な言動に周囲は振り回されながらも、少しずつ距離を縮めていく様子が微笑ましく、思わずクスっとしてしまう場面もたくさんあります。
一方で、物語の中には差別や理解、誰かを守るということの意味など、軽い語り口の裏に考えさせられるテーマもしっかりと描かれています。
緑色のカメ子を受け入れていく家族や友達、ご近所さんたちを見て気づきました。
先入観にとらわれていたのは自分の方でした。
これを機に、こり固まった「普通」を見直してみませんか?
是非ご一緒にどうぞ!
8話までのレビューです。
丸男くんの家に、ある日突然やってきた緑色の女の子。
え? カメムシのカメ子?
最初の4話は、人間世界にやってきたカメ子ちゃんが、少しずつ日常に馴染んでいくまでが描かれます。
このあたりは、ややお母さんにスポットが当たっている印象が強く、家族との距離感や受け入れの過程が丁寧です。
5話以降は、カメ子ちゃんと出会う人たちそれぞれの悩みや問題に焦点が移っていきます。
作者さまが扱うテーマは、日常生活の中では見過ごされがちなものが多く、決して軽くはありません。
それでも、カメ子ちゃんと周囲の人々とのやり取りを通して、コミカルに、どこか和やかに、その大切さを伝えてくれます。
説教臭さはなく、気づいたら考えさせられている。このバランス感覚が心地いいです。
皆さまも、カメ子ちゃんの目線で、人間社会を少し覗いてみませんか?
後半はどうやら宇宙からの侵略者も登場する様子。
カメムシですからね……アレも、やっぱり出てしまうんでしょうか。