正しさよりも、恥じない生き方を選ぶ背中へ

本作は、決して善人だけが登場する物語ではありません。
むしろ人間の弱さや醜さ、間違い、逃げ場のない選択が幾度も描かれます。
それでもなお、誰かを信じようとする姿勢が、強く強く、魂のスケールに響いてきます。

登場する男性達は、正しさを誇示するわけでも、格好つけるわけでもありません。
ただ、自分が選んだ生き方から目を逸らさず、逃げずに立ち続けています。
その姿が結果として、どうしようもなく格好よく映るのだと思います。

彼らは人間の醜さを知っています。
自分の弱さも、過去の過ちも理解した上で、それでも「どう在るか」を選び直そうとする。その不器用さと誠実さが、胸に強く響きました。

己に対して、そして愛する人に対して恥じない生き方とは何か。本作は答えを押しつけることなく、男達の背中でそれを示してくれます。静かで重く、それでいて確かな希望を感じさせる一作です。

確かに気軽に読めるタイプの作品ではないかもしれません。けれど、登場人物達の生き様に触れるうち、劇中のキャラにせめて真剣に向き合おうと応えたくなって、自然と背筋が伸びている……そんな作品なんです。

人の心の奥に触れる物語を求めている方に、ぜひ読んでほしい作品です。どうか、ご一読のほうをよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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