主人公は50歳を越え、いよいよ老いを自覚してきた。体力はなくなり、体型も変わり、趣味に向ける気力もない。
ある日曜日、彼は散歩に出る。その先で中学時代の友人と再会する。実に40年ぶり。
何気なく友人を家に招き、何気ない話をする。懐かしい遊びに興ずる。
——これが、ホラーなのです。私も途中まで、「あれ?なんだか平和なお話だな」と思っていました。
とんでもない。ガチガチのホラーです。
見ようによってはすっきりとするお話なのですが、やはり恐ろしさが残ります。切なさ……といってもいいかもしれません。……いや、やっぱりちょっと違うでしょうか。
ひとつ、怖いけれども素敵だなと思える印象的な言葉があったのですが、それはぜひ本編でご覧いただきたいです。
じっとりと纏いつくような恐怖が味わえます。
おすすめです、ぜひぜひ。
完全にしてやられました。後半の泥沼のような展開がもう病みつきになりそうです。
本作は五十代の主人公・中川が自分の老いを実感して思い悩むところから物語が始まります。体が肥満気味になってきただけでなく、年月を経るごとに友人の死に直面することも増えてきていました。
そんな彼が出会ったのは四十年来の同級生・村田。再会した懐かしさから、中川は彼を家に招き入れます。さらに村田の進言で二人は懐かしの「しりとり」を始めることとなります。
「しりとり」とともに浮き彫りになっていく秘められた真実。ズブズブと読者を暗闇へ引きずり込んでいく展開。素晴らしかったです。
ホラー小説の名手が紡ぎ出す超一級のどんでん返し作品、是非ご賞味くださいませ。
五十を過ぎた中川という男が主人公の本作。
平日は仕事をして家に帰ってくるだけ、休日は誰かと会う予定もなく、布団の上でごろごろと過ごす、そんな無気力で寂しい日々を彼は送っていた。
他にすることもなかったので、散歩に出た中川は、中学時代の同級生である村田に偶然出会う。立ち話もなんだからと村田を自宅に招き、昔話に花を咲かせたあと、村田の提案で二人は唐突にしりとりを始めることになる……のだけど……やはりこの作者の作品だからそうなるよなあという展開がそこから先に待っていました(笑)
最初は穏やかな空気だったんですけどね、しっかりホラーでした。
タイトルの悪食の意味がわからなかったのですが、物語の後半でそういうことか……と理解すると同時にゾッとしました。
サクッと恐怖を味わいたい方におすすめの作品です。
思い出というのはしばしば美化されがちで、都合の悪い部分は忘れがちだったりします。
でも、それは美化するような良い思い出がある場合に限ります。
嫌な思い出ばかりの場合、それは時を経るごとにどんどんと重く、醜悪なものへと変質し、蝕んでいきます。
つまり、たとえそれが一つの同じ思い出を共有しているつもりでも、覚えている人が違えば思い出される内容に大きな差異が生じるということでもあります。
これは、そんな一つの思い出の齟齬のお話です。
あなたの子供のころ、ちょっと思い出してみてください。
楽しい思い出、ありましたか?
嫌な事ばかりな思い出、ありましたか?
今一度、冷静に思い出してみてください。
思い出した人から、是非本編をどうぞ。
しりとりをテーマにした話と言ったら、どんな内容のものが出てくるでしょうか。
小学校時代に「友人」だったらしい中川と村田。最近は同級生だった志村が亡くなった後だとされている。
そしておじさんふたりで「しりとり」をするという、一気に童心にかえるような展開に。
なんという、ほのぼの展開! これはきっと、スタンド・バイ・ミーなノスタルジック溢れる物語が読めるに違いない。
……と思ったら大間違い!!!
これを書いているのは誰か? ラーメン大好き、そして猟奇大好きな作者さんです。
「しりとり」と来たらまず間違いなく、「猟奇」、「鬼畜」、と単語が続いていきそうな雰囲気が濃厚。(そして間違いなく、「しりとり」の前にあった単語は「ふんどし」です)
しりとり、というゲームを使って、一体彼らが「何」をしてしまったのか。本作を紐解いて確かめてみてください。