「幽霊を見たい」という純粋でちょっとズレた欲望と、空手バカとの出会い

主人公・神谷円のキャラクター造形が非常に魅力的です。
「幽霊を見たい」という純粋でちょっとズレた欲望と、極端なコミュ障・ボッチ気質が丁寧に描かれていて、痛々しさと可愛さが同時に伝わってきます。友達を作ろうとして何も起きないくだりなど、リアルで胸が締め付けられる一方、「わかる……」と共感してしまう読者も多そうです。
そこに投入される有明省吾の存在が、物語の空気を一気にコメディ寄りに転がしていて秀逸でした。
站椿を黙々と続ける姿、会話が成立しているようで成立していない受け答え、「空手ダンス」という強烈なワード、そして心霊スポットに空手着で登場する場面など、いちいちインパクトがあり、読者の印象に強く残ります。円の内心ツッコミもテンポが良く、漫才のような掛け合いになっているのが楽しいです。

陰キャ×空手バカという組み合わせの妙
コメディとホラーのバランス
主人公の感情描写の丁寧さ

など非常に面白かったです。

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