霊を見る青年レートと、悪意を喰らう悪魔マギサのコンビがとにかく魅力的で、会話のテンポと価値観のズレが心地よくクセになります。
事件は超常的でありながら、人の後悔や弱さといった感情に踏み込んで描かれていて、ただの怪異譚では終わらない深みがあります。
特に第一章では、レートの“視えてしまう苦しさ”とマギサの非情な合理性の対比が鮮やかで、物語の軸がしっかりと伝わってきました。
軽妙なやり取りの裏に常に不穏さが漂い、次の展開を読まずにいられない構成も見事です。
ダークさと人情味のバランスが絶妙な、続きが気になるシリーズ作品だと思います。
怪異と現実の怖さが合わさったこの作品のようなテイスト、大変好みです。
霊が視える青年・博楼玲人(レート)と、悪意と憎悪を喰らう悪魔・霧切魔伎沙(マギサ)がタッグを組んで超常事件を解決するストーリー。
レートは霊が視えすぎる能力のせいで日常生活が困難になり、マギサと契約を結びました。しかしこの契約、実は力を「消す」のではなく、マギサが常にレートに霊を「視させ続ける」というもの。レートは助手として働く代わりに生活費を保証されていますが、望んだ解放とは程遠い状況に置かれています。そんな奇妙な「契約」を結んだ二人が、人間の業と悪意が渦巻く事件に挑んでいきます。
最初のエピソード。
親友の西原祐介が心霊スポット「オバケトンネル」に行くと連絡してきたきり帰ってこないため、その行方を探して欲しいと霧切超常事務所に依頼しにきた宮橋が登場します。
しかし彼の背後には当の西原の霊が憑いていることを「視た」レート。事件は意外な展開を見せ、ひんやりと冷たい結末を迎えます。
続いて、SNSで話題の、霊が映るアプリについて調べることになったレートたち。
このアプリFace:Pはいわゆる顔加工アプリです。開発者・真鍋雅紀(29歳)はルッキズムを嫌っていて、「顔面コンプレックスをなくす社会を作る」という理念を掲げてアプリを開発した人物です。しかしこれもまた、大変皮肉な結果となりました。
そして終盤、こっくりさんで人を殺してしまったかもしれない十和子という女子高生が事務所に来ます。
しかし彼女には霊が憑いていなかった。
十和子の通う学校へ赴いたレートたちは、十和子が保健室登校をしていることを知り、いつもそばで見守る養護教諭・坂戸可奈子と出会います。
坂戸可奈子の正体と、彼女の目的には心打たれるものがありました。
そしてここからは悪魔と天使の壮大なバトルへ。
本作の魅力は、一見ホラーでありながら、実は人間の心の闇と救いを丁寧に描いている点です。マギサは冷徹な悪魔でありながら、人間の悪意を「美味しく」味わう美食家のような存在。
レートは自分の過去のトラウマと向き合いながら、事件の被害者や加害者に複雑な感情を抱きます。
特に印象的なのは、悪魔たちが決して「悪」として描かれていないこと。彼らは人間界の感情を糧に生きる存在であり、むしろ人間の方が時として遥かに恐ろしい悪意を抱えています。
うーん、やはり私はこういう「人が怖い」ホラーが好きです!
サブタイトルがハーブの名前になっているのがタイトルとリンクしていていい味出しています。事件の展開もよくねられていて、ミステリー好きとしてもとても楽しめました!!
物語の概要はあらすじで大まかに説明されておりますが、霊が“視えすぎる”青年レートと、悪意と憎悪を喰う悪魔の女マギサの二人を主人公に据えた物語となります。
男女は逆ですが、食事を探し求める悪魔に無理やりに付き合わされる人間というコンビ性や、作中でのマギサ嬢の悪魔としての無法っぷりから、往年の名作ジャンプ漫画「魔人探偵脳噛ネウロ」を彷彿させるものの、毛色は全く違います。
こちらは主人公のレートが霊を見るという性質から、ホラー要素が強めで、人の心の底に潜むネットリとした心理描写を丹念に描いているのが特徴的です。
このレビューの段階では、まだ第一章を終えた所ですが、題材が人の「悪意と憎悪」となる為、基本的にスッキリとした物語ではなく、ドロドロとこびり付くようなものがこれからもお出しされるのではないかと思われます。