第8話 温かさ

 まずは、ギルド長と受付嬢が自己紹介を始めた。


 ギルド長、マクセル・シェングン。

 40歳、男性、190cm、90kgのゴツい体。

 背中には黒一色の大斧を持ち、体や顔には多くの傷跡が。

 白いTシャツに黒い長ズボン、色黒で坊主という特徴のおかげで迫力がとてもある。

 元ギルドメンバーだったが、引退と共にカラマタのギルド長をしている。

 筋肉がとても好き。


 続けて、受付嬢のエリ・マーズ。

 20歳、女性、155cmの高さで、オレンジ色のロングヘアーが腰あたりまである。

 話し方がフレンドリーで、白ブラウスに緑色を基調としたジャケットと膝上スカートで受付嬢を完璧にこなしている。

 目が大きく、アイドルにいそうな雰囲気を持つ。


 レイはエリの受付に向かい、傭兵として過ごしていた時のカードを渡し、改めてカラマタのギルドメンバーとしてギルドカードを発行してもらった。


 名前、レイ。

 職業、ギルドメンバー戦闘員。

 ランク、G。


 と表記されていた。


「改めて、ようこそカラマタのギルドへ。私から簡単にギルドの内容を説明させてもらうわね!」

「わかった。」


 ギルドは、基本的にその町の治安の維持及び周りの町からの要請に参加して、モンスターと戦うことが多い。


 ギルドには、各地からクエスト依頼が届き、多くのギルドメンバーがそれを対処して行く。


 また、ギルドには戦闘員だけでなく、補助員も存在する。


 戦闘員は基本的にモンスターとの戦闘が仕事になり、手にした魔石で報酬を得る。


 対して、補助員は戦闘員が必要となるアイテムの補充や、ギルドの受付、食事などサポーターとして活躍する人達である。

 補助員の報酬は、戦闘員の活躍によって変動する。


「以上が、ギルドメンバーの内容ね。分からないところはない?」

「多分平気だ、分からなかったらまた聞いていいか?」

「ええ!いくらでも教えるわ!あとは、ランクのことね。」


 ランクは、A-Gまで存在しており、初期メンバーはGからスタートする。

 クエストの難易度は、Aが1番難しくGが初歩的なものが集まる。


 ギルド長がそのメンバーの活躍を確認し、ランクは昇格して行く。


「以上が私たちのギルドの説明よ!因みに、オウロさんはEランクだからパーティで行く時は、1番高い人のランクの1つ下から同行できるわ。レイさんとオウロさんが組んだ場合、Fランクまでいけるわ!」

「……わかった、と思う。」

「1発で全部覚えるのは大変だから、いつでも聞いて!」

「ありがとう、優しいんだな、エリは。」

「あら、褒め上手ね!あなたも記憶を失う前はフレンドリーな感じだったのかもしれないわね、なんか同じ匂いがするわ!」


 レイは説明を受け、そのままオウロと合流する。


「マクセルさん、レイ君に町を案内してきます、終わったらまた来ますね。」

「おう、レイの筋肉を見たいから早めにな!」

「ギルド長、レイさんのこともいいですが他の仕事もあるので忘れないでくださいね、最近仕事が溜まってるんですから。」

「あ、ああ。」


 フレンドリーなエリだが、仕事のことに関しては厳しいらしく、ギルド長のマクセルも静かに従う。




 外に出たレイとオウロは、


「レイ君、どこから回りたい?鍛冶屋、道具屋、ご飯屋、何がいい?」

「……オウロの行きたいところからでいいーー。」

「それはだめだ。」


 オウロはレイに顔を近づけ、目を見つめる。


「え?何が、ダメなんだ?」

「僕はレイ君の意思が知りたい。確かに記憶も感情も無くしてるのかもしれない、でも、少しずつ、変われるチャンスを掴もう!」

「あ、ああ。じゃあ、鍛冶屋から頼む。」

「了解した!」


 レイとオウロは町を回り、鍛冶場で話を聞き、レイの希望で道具屋で品揃いを確認し、最後にご飯屋が並ぶ商店街も歩いていた。


 そこで話した人達とのことを思い返しながら、レイはオウロと共にギルドに向かっていた。


(カラマタの人達は、なんで俺にこんなに優しくするんだ?まだ1回もクエストに行ってない、元傭兵の俺に。)


 レイの考える姿に、オウロは気が付いていた。


「どうした、レイ君?何か困り事でもあるかい?」

「いや、困り事っていうか、分からないんだ、なんで俺に、優しくしてくれるのかって。」

「オウロも理由なく俺に優しくしてくれるのか?俺は今、オウロがいなかったらこの生活はなかった、気になるんだ。」

「うーん、まあ僕も同じ感じだよ!あっ、ギルドが見えてきた、今日はこれで終わりかな!」


 オウロは小走りでギルドに入って行く。


 その姿を見て、レイは疑問を覚えた。


(今、オウロは何か誤魔化してるような表情をした。……でも、そんなこと考える必要はないか、俺はオウロに人生を変えてもらった、恩返しをさせてもらわないとな。)



 レイもオウロを追いかけギルドに向かう。


 ここから、レイの新しい人生の始まりとなる。

 カラマタでギルドメンバーとなったレイは活躍できるのか?


 まずは、オウロとの協力クエストから始めるのであった。

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