第4話 新たな出会い

 傭兵3人とレイは虎型モンスターを狩猟し、ペレの村に帰還する。

 虎型モンスターと1人で戦闘を繰り広げたレイは、肩と腹に負傷しており応急処置だけはして歩いていた。


 血は滲んでいるが、レイの顔に痛みの表情は浮かんでいない。


 周りの傭兵3人は、レイを処置することなく何かを狙っている様子だった。


 だが、レイが隙を全く出さなかったため何も起きることなく、

 30分程度歩き、ペレの村に辿り着いた。



 そのタイミングで、


「お疲れ様、迷い人。今回も活躍だったな。」

「ああ、これを受付嬢さんに渡せばいいのか?」

「いや、それは俺たちがやるからお前は治療受けてこいよ、傷が深いといけない。」

「別に、この程度なら後でいいさーー。」

「いいや!今行ったほうがいい!ほら、魔石は俺たちが渡しておくから!任せとけって!」


 レイは3人のプレッシャーに負け、虎型モンスターの魔石を渡し、治療室へ向かう。



 治療室では、


「あなた、よくあの大型モンスターと戦ってこれで済んだわね、経験が豊富なのかい?」


 治療室の女性がレイのケガを手当する。


「いや、そこまでじゃない、はずだ。」

「そうかい、まあ生きてることに感謝するんだよ。いつモンスターに命を取られるかわからないんだから。」

「分かった、助かった。」


 レイは治療室を出て、傭兵団の施設へと向かう。


 そこで、先ほどの傭兵3人と出会う。


「おう!迷い人!待たせたな!」

「ああ、どうだった?」

「問題なかったぜ!これが報酬だ、今回も助かったぞ。」


 レイは銀貨1枚もらう。


「……虎型モンスターはそんなに弱いモンスターなのか?」

「ん?まあ、この辺りの傭兵なら簡単に倒せるぜ。俺たちもちゃんとやれば難なくな!」

「そうか、ならさっきは余計なことをしたな。」

「あ、ああ、まあ、お前の活躍の場を作ってやったんだ、気にするな。」

「そういや、報酬は銀貨8枚じゃなかったか?初めて同行の時の契約で、等分するって話だったと思うんだが?」

「……気のせいだ!俺たちも銀貨1枚ずつだからよ、早く休めよ!それじゃあまたな!」


 話を逸らすように3人の傭兵はその場から去っていく。


 レイは手のひらの銀貨1枚を見つめ、


「はぁ、採算はマイナスだな。これからどうするかーー。」

「はーい、そこの人達ちょっといいかい?」


 レイと行動していた傭兵達のもとに、1人立ちはだかる者が。


「な、何だお前!」

「いやー、嘘つきはいけないなと思ってね、これなんだと思う?」


 目の前に現れた者は、手にクエストの紙を持つ。

 そこには、先ほどレイ達が達成したクエストの内容が。


「お前、何でそれをーー。」

「ねえ!後ろの君!これ、見えるかい?」

「ん?俺か?……虎型モンスターの狩猟、報酬、銀貨8枚。あれ、1人1枚だから4枚なんじゃ?」

「そういうこと、つまりこの人たちは嘘をついたってことだよね。」


 傭兵3人は冷や汗をかき呼吸が早くなる。

 嘘がバレたことに、動揺を隠せていなかった。


「な、何でそれをお前が持ってる!」

「ちょっと受付嬢さんから借りてきたんだ、それで、どうする?ここの傭兵団での契約で、同行契約を破ったら、それ相応の罰が与えられるんじゃなかったかい?」

「……ちっ、ほらよ!」


 銀貨をもう1枚男達は投げ、その場から離れようとする。

 そこへ、


「あーと、確か過去にも同様の過ちを犯してたらどうなるんだったかな?罰どころか、懲罰牢行きだったかな?」


1人の男に振り回される傭兵たち。

なんとか絞り出した言葉は、


「う、うるせえ!余所者が邪魔するな!レイ!そいつを殺せ!」

「え?クエスト対象じゃないのにか?それに、この人は危険に思えないーー。」

「俺たちがいじめられてるんだ、早く殺せーー。」

「いじめてるのは、どっちかな?」


 脅された者は、金属のグローブを装着し構える。

 その者の眼光が、男達をつま先から頭のてっぺんまで怯えさせる。



「ちっ、覚えてろ!」


 傭兵達はその場からウサギの如く素早く消えていく。


「はぁ、僕がもっと説得がうまかったらよかったんだけど、すまないね。」


 フードを取り、1人の男がレイの前に立つ。


「はい、これは君の報酬だ、力及ばずにすまない。」

「いや、助かった。……あんたは?」

「ああ、すまない、申し遅れたね。僕は、オルデン・アトラス、良ければオウロって呼んでくれ。君がレイ君でいいんだよね?」

「そうだ、何で俺の名前を?」

「まあ、少し訳が合ってね。良ければ、少し僕と話さないかい?」


 オウロの提案にレイは疑問を覚える。


「何か俺に用があるのか?朝っぱらも俺のことをつけてきてたよな?」

「やっぱり気づいてたんだね、あれだけ距離をとってたのに気づくなんて、君は何者なんだい?」

「俺は……何者なんだろうな。」

「そういう感じなんだね、少しカフェでも行こうか。……てか、この誘い方だとデートのお誘いみたいかな?」

「デートのお誘い?まあ、連れて行ってくれるなら喜んで行くぞ。」


 警戒しているように思えていたオウロだが、自然体で自分に近づいてくるレイに驚きを隠せない。


(さっきまで警戒してるように見えたけど、この距離に近づかれて気配を感じずらいレイ君は、どこかの特殊部隊か?それとも……。)



 オウロに連れられレイはカフェに向かう。


 果たして、レイとオウロは何を語るのか?

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