第235話 予測された道
町で得た情報を元に、リン達は城の方角へ走り始めた。
「リン、アンジェ、気分は平気?」
「ああ、なんとなく予想はしてたんだ、ワノモトがまだ残っててくれるだけで嬉しいと思わないといけないな。」
「数え切れないほどの犠牲者が出てしまっているのは事実、ならうちらがこれ以上生み出さないようになんとかしないといけないですね。」
「さすが、2人は強いね。でも、無理はしないでくれよ、2人がいなくなったら
「分かってるよ、辛い時は頼らせてもらう。」
情報を元にすると、リン達は走って2時間の場所に向かっている。
イリオスでは道中に馬や、馬車を借りて向かうこともできた。
しかし、今のワノモトではそこまで整備された環境はなく、地道に向かうしかなかった。
数十分ほど走った先で、リン達に目新しいものが映る。
「ん?あれは、町だよな?活気はほとんどないけど、まだ機能はしてそうだ。」
「寄ってみましょうか、もしかしたら生き残りの方から情報を得られるかもしれません。兄さん、あそこが入り口ですね。」
「分かったわ、じゃあ私たちはまた待っているわね。」
「いや、今回はみんなで入ろう。この程度の活気の町なら、相手が何者なのか証明しなくちゃいけないことはないだろう。」
「分かった、なら僕たちも中に入らせてもらうよ。」
先ほどの町同様、建物が壊れてるところがあり、人々の姿はもはやない。
完全にオオカミ型含めたモンスターに破壊されたのが見てとれた。
「兄さん、酷いですね、これは。多分、助けを乞うた子供や老人まで手を出してます。」
「ああ、くそっ、蒼き世界を作るって、争いのない世界を作るために今生きてる命を片っ端から奪ってなんの意味があるんだよ、ブラッド。」
「リン、怒りはごもっともだけど、町の様子を見ましょう。少しでも情報が欲しいわ。」
4人は中に入り、話せる人はいないか探していく。
しかし、建物の崩壊は奥に行くほどさらに酷くなり、血飛沫が家や地面に飛び散っている。
(くそが、ここの人たちがなんの罪を犯したっていうんだ、必死に生きていただけなはずなのに殺されなくちゃいけない理由なんて、俺には思いつかない。)
「兄さん、何か聞こえませんか?」
「っ?」
リンとアンジェがその場に止まり、オウロとセラもその動きに続く。
遠くからの声に、リンとアンジェは集中した。
「……けて。」
「っ!人の声?」
「この先で何か起きてるかもしれません。準備はいいですが、兄さん、オウロさん、セラさん。」
オウロは拳を構え、セラは銃剣を手に持つ
「いいよ、何が出てももう驚きはしない。」
「オウロに同意ね、オオカミ型でも何でも私たちは倒して進むしかない。」
「ああ、いくぞ、助けられる命な助ける!」
4人はダッシュして一気に悲鳴の元へ向かう。
そこで見た光景とは、
「がぁ?」
「ちっ、遅かったか。」
そこには二足歩行オオカミ型がおり、地面に男性が倒れていた。
「あいつが捕食したというところでしょうか。兄さん、一気に仕留めましょう。」
「ああ、俺に合わせてくれ、アンジェ。セラ、オウロ、周りの警戒は任せる!」
「了解!」
リンは灰色の剣を、アンジェは短刀を構えイリオスでも見た二足歩行オオカミ型を狙う。
「がぅぅ!」
「一の型、
振り下ろされる、血のついた爪をリンは弾き、腹にもう一撃入れダメージを入れる。
流れるように高く跳んだアンジェが、
「二段、
縦回転しながらオオカミ型を切り付け、家の壁に叩きつける。
オオカミ型は一瞬怯んだが、すぐに立て直しリン達を見つめる。
「がぁ、がぁ!!」
「こいつはイリオスで何度も戦ってきた二足歩行オオカミ型に似ているな。色も、雰囲気も。」
「はい、ただ頑丈さはイリオスより高いように見えます。今までならこれで倒せる個体もいたはずですから。」
「了解、油断せずにいくぞ!」
さらに距離を積める2人の前に、
オオカミ型が立ち上がり空を見て、とある行動に出る。
「あぉぉ!!」
そう、高い声で遠吠えをして辺りに響かせたのだ。
「っ!?そんな行動、イリオスの個体ではしなかったな、それにこの行動は。」
「はい、辺りから足音がたくさん聞こえます。完全に、応援を呼ばれましたね。」
「リン!アンジェ!このままじゃ私たちが囲まれるわ、辺りから多くの足音も声も聞こえるわ。」
「タイミングが良すぎるね、1体のオオカミ型が遠吠えしただけでここまで集まるなんて、これもまさかブラッドの罠か?」
「あり得るな、あいつなら何手先を読んでるか分からないからな。でも、俺たちのやることは1つ、この町を突破して城まで行くぞ!」
リンたちに向け、数多くの足音が迫り、皆警戒を強めた。
一体配置されていたオオカミ型が罠だった場合、ブラッド率いる身喰らう旅団はどこまでリンたちの動きを把握しているのか?
そして、奇襲を受けてしまったリン達は、この場を乗り越えることはできるのか。
ワノモトにて、大きな戦いの火蓋が切って落とされた。
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