第236話 オオカミの罠
リン達が戦闘を始めたオオカミ型は、大きな遠吠えを放ち、周りの仲間に危険を知らせていた。
「リン!背中は任せるわよ!」
「ああ!セラ、オウロ、そっちは頼むぞ!」
2人の声が交差する頃に、
「獲物だ、ごちそう、もらうぞ。」
言葉を話せるオオカミ型含め、10体のオオカミ型がリン達を囲んだ。
「兄さん!前に3体、右に2体です!」
「各個殲滅する、2体の方は任せる!」
「了解!」
まずは、リンとアンジェが戦闘を始める。
「獲物、殺せ!」
「あおーん!」
リン目掛け、3体のオオカミ型が迫る。
そのスピードはイリオスの個体よりも早く、力も優っているのが見てとれた。
まずはリン、
「初めて見る顔、殺す。」
「当たり前のように話しやがるな、気味が悪いっての。六の型、
リンに振り下ろされるオオカミ型の爪は、残像のリンを切り、背後から灰色の刀で切り付けられる。
しかし、相手は3体。
リンの背後を取り、オオカミ型はその鋭い牙で噛みつこうとする。
咄嗟に振り返ったリンは、刀で鋭い牙を弾き、足蹴りを顔に入れふらつかせる。
最初に切りつけたオオカミ型も戦線に復帰し、複数回振り下ろした爪。
その攻撃は、リンが何とか捌く。
そこに、他2体のオオカミ型も迫り合計3体が一気に迫る。
「五の型、開演。
リンはプレッシャーを3体に向けて放ち、動きを鈍くさせる。
続けて、
「
正面のオオカミ型を十文字に切り裂き、
「
最後に突きを放ち、正面のオオカミ型を行動不能にする。
さらに迫る2体から距離を取り、刀を構え呼吸を整える。
(ふぅ、イリオスの個体よりも連携が取れてるな、このオオカミ型は。くそっ、こんなところでそっち側は進化しなくていいってのによ。)
「こいつ、危険。最優先で、殺す。」
2体のオオカミ型がリンに迫りながらも、別の嫌な雰囲気をリンは感じていた。
(この感覚、最近経験したばかりだ。あの奇妙な、手が剣になってる奴がいる。くそ、時間をかけたくねえってのに!)
リンに向け、少し離れたところから数十分前に戦ったばかりの新種のオオカミ型が迫っていた。
その頃アンジェは、
「五段、
2体のオオカミ型を竜巻で覆い、視界を遮る。
「ぐぁぁ!」
「その中では、自由に動けないんじゃありませんか!九段、
無数の青い斬撃を放ち、竜巻の中のオオカミ型を攻撃する。
優勢に進められてると思われた、
だが、
(この感覚、まだいる!)
咄嗟に2本の短刀を構えたアンジェは、何か鋭い攻撃を弾き地面を滑る。
「なるほど、透明タイプでしたか、うちの方も3体いたんですね。」
「殺せなかった、面倒だ。」
「うちの命は安くないので。」
アンジェは透明型が色を解除し、迫ってくるタイミングで4回攻撃を弾く。
蹴りで透明タイプのオオカミ型の顔面を蹴り、
生まれた隙を狙ってもう1体が爪を伸ばす。
「良い連携ですね、考えたくないですがまるで訓練された人のようです。」
背後から迫った爪を跳んで避け、短刀を振り下ろすがもう片方の爪で受け止められる。
そこへさらに、
「ぐぁぁ!」
「くっ、良いタイミングで来ますね、本当。八段、
短刀を足に装着し、踊るように切り裂き難を逃れつつ距離取る。
その着地地点は、
「おう、アンジェ、調子はどうだ?」
「こちらの調子はいいはずですが、敵の調子はもっと良さそうです。それに、これまでにない戦い方をしてきます、かなり厄介です。」
「6体ってだけでも面倒なのに、この連携は時間もかかるし下手したら勝てない可能性すらあるな。」
「であれば、うちらがやることは1つしかありませんね。」
2人が話したいる間も、オオカミ型が爪を伸ばしてくる。
刀と短刀で弾き、建物を背にして目の前の6体と対峙する。
「セラ達の援護にもまわりたい、やるぞ!アンジェ!」
「ええ、どんな無茶な要望でも、うちが答えて見せます!」
2人は同タイミングで呼吸し、目を閉じ、同時に開く。
2人の目は真っ直ぐ見つめ、やることは1つだと分からせてくれた。
その変化に、オオカミ型も何か気がついていた。
「こいつら、雰囲気が、変わった。厄介なことになる前に、殺してしまえ。若い肉だ、ご馳走だぞ、お前ら。」
「うぉーん!!」
オオカミ型も爪を鳴らし、涎を垂らしながらリンとアンジェを見つめる。
「数的不利、でも俺たちは何度も似た壁を乗り越えてきたんだ。この先にムクナ師範がいるなら、無理矢理にでも道を開けて押し通るのみ!」
「いきましょう、兄さん!うちらで、道を切り拓きます!」
リンとアンジェは同タイミングで走り出し、目の前のオオカミ型と鍔迫り合う。
リンとアンジェが使える今の最大の力、
オオカミ型もさらに力をつけてきているが、リン達もイリオスでさらに技を磨いてきた。
セラとオウロもオオカミ型と戦闘を繰り広げている状態。
果たして、リンとアンジェは挽回することができるのか。
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