Darling Rendezvous!
04「ダーリン、お前は私に会いに来た。地上の地獄も、刺激的なハプニングも、すべてのデートコースを一緒に潜り抜けるって約束して。ダーリン・ランデヴー! この恋が運命であるために! 」
04「ダーリン、お前は私に会いに来た。地上の地獄も、刺激的なハプニングも、すべてのデートコースを一緒に潜り抜けるって約束して。ダーリン・ランデヴー! この恋が運命であるために! 」
◇
オルドポルターの地脈には、地獄の抜け道がある。
———地獄から死者が蘇る不思議現象、ダーリン・ランデヴー。
ダーリンは100以上の地区から構成される超集合都市オルドポルターにしか発生しない未解明現象だ。オルドポルター以外にダーリンは甦らない。それは、このオルドポルターという土地こそ地獄との分かち難い密談の場であり、輪廻の理から外れたダーリンが唯一姿を現すことの出来るスポットだと言える証じゃないだろうか?
しかし、最初からダーリンはオルドポルターという恋人と睦んでいたんじゃあない。時期として、30年前。30年前のダーリンによる同時多発事件から、ダーリンによる地上と愛への侵襲は始まった。
ダーリンという社会規定を覆す存在の介入はオルドポルターを大きく揺るがした。もしかしたら! もしかしたら、隣人がダーリンかもしれない。危険と異能を纏う人ならざる存在かもしれない。異能を暴走させ、予期せぬ間に生命を奪われるかもしれない!
特に目まぐるしく変わったのは裏社会情勢だ。人智を逸する異能。それがあればオルドポルターの裏社会情勢を一発でひっくり返し得る異能保有者がゴロゴロと生まれた。いや、蘇った。私が二十にも満たないガキだった頃、奴らは裏社会の秩序を積み木のように崩して現れた。
そして、裏社会の連中は鼻の効く奴から順にダーリンという生態兵器を組織に取り込み始めた。どれだけ組織に有益なダーリンを取り込めるか。当時は、それだけが組織間の優劣を決めるかのように揃いも揃って腐心した。
———ああ、そうさ。私、デボラ・ララ・ビクターも生前はそのうちの一人だった。
私は一人のダーリンと契約をした。契約ダーリンの異能により組織の基盤を作った。組織に何人もの有用なダーリンを囲った。組織を束ねた私の最期は、Ag:47、敵対組織、警官ども、あらゆる武力組織がひしめいた銃撃戦だ。発砲音。そして、鉄筋露わの廃ビルに差す僅かな斜陽。そこで私、デボラの人生は幕引きだった。
しかし、あろうことかオルドポルターはふたたびこの刺激的でスキャンダラスな街に私を呼び戻した。地獄の待機列から私という役を選出し、表舞台へと引っ張り出した。オルドポルターは私を放って置かなかったのさ。
死んでも、甦っても。愛してるぜ、オルドポルター。私の
◇
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Darling Rendezvous! ゆりかもめ団 @Yffiz
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