主人公の女性は大雨の日に峠に差し掛かっていた。しかしそこで土砂崩れに遭遇し、道が閉ざされてしまう。先に来ていた男性二人に助けられ、二人と共に唯一の建物だった古びたドライブインに避難する。そこには数人の男女が既に避難していた。しかも、水分は残っていた野菜からとるしかないという状況。
不協和音が響く中、避難していた男性の一人が惨殺死体となって発見される。助けはなく、外との連絡もつかない。逃げられる道もなく、犯人はまだここに潜んでいる。もしかしたら、避難者の中に殺人犯がいるかもしれない。不協和音はさらに軋みを上げていく。そんな中、第二の犠牲者が出る。
主人公は疑心暗鬼と推理戦の中、気を失ってしまい……。
この中に犯人はいるのか? 誰かが嘘をついている? 犯人の動機は?
謎が謎を呼ぶクローズドサークルミステリーが幕を開ける。
しかも、それだけでは終わらない。
推理していくと、読者の方まで疑心暗鬼に捕らわれる一作でした。
主人公の記憶が鍵らしいのですが、謎が次々と湧いてきて、ぞくぞくします。
是非、御一読下さい。
土砂崩れで塞がれ、脱出できなくなった旧道。嵐に追われ、とっくに営業しなくなった、いわば廃墟のドライブインに、やむなく集まる登場人物たち。しかも皆どことなくクセが強い。外には野犬の群れ。そしてドライブインの一角には、誰かが過ごしていたらしい痕跡が。……「何か」が起こるにはもう十分な舞台だろう。そしてやっぱり「何か」が起きた。しかも、ついさっきそこにいた人がもう倒れている、という「速さ」で。「絶対何かあるよね」とつぶやいたら何かが襲ってくる……というより、「絶対な」と言いかけたところで足をすくわれる、に近い感覚。ミステリージャンルではあるが、暗闇から伝わる恐怖はホラーのようだ。
当レビュー筆者は第一章を読了した段階。事件としてはとりあえずひと段落を迎えたらしい。が、冷静な立場から事件を眺めていた主人公にも、どうやら秘密があることがわかってきて、事件の謎は解けるどころか深まっている。この事件にどんな真相が隠れているのか、まだまったく見当がつかない。それでいて、蟻地獄に半分のまれているようなものだ。怖いのに、見届けないと落ち着けそうにない。
なにこれすごく面白い!思わず引き込まれました!
主人公はある町に取材へ向かう途中の女性。
連休の渋滞を避けて山深い旧道を走っていたところ、台風による土砂崩れで足止めを食らってしまいます。
さいわい先に立ち往生していた二人の男性・遠藤と田所とともに、近くの廃ドライブインに避難するのですが……。
陸の孤島、いわゆるクローズドサークル的な舞台で起こる出来事にぐいぐい引き込まれました。
登場人物同士の不和や事件とは直接関係なさそうな「自然の脅威」が次々と襲いかかり、息が詰まるような緊張感が続きます。
絶えず不穏な気配が漂い、誰も彼もが怪しく見える——まさにタイトルの通り。
真相がどうなるのか、続きを読まずにはいられません。
サスペンスやホラーが好きな方には特におすすめしたい一作です!