以下、第三十五話まで読んだレビューです。
大雨が降る山中の峠道で、土砂崩れに道を塞がれ、止むをえず廃ドライブインに避難する何名かの男女。電波は届かず、外には野犬の群れが徘徊する。室内は何者かの残した残飯の腐敗臭が満ちている。おどろおどろしい雰囲気が不安を呼ぶ中、一人、また一人、何者かに襲われて倒れていく。
やがて、無関係に偶然集まったと思われていたそれぞれの過去とそれぞれの思惑でこの場所に来たことが明らかになり、それがまた新たな謎を呼ぶ……
殺人事件が主軸となって物語が進みますが、単純な犯人捜しではなく、主人公の感情と精神の大きな揺らぎ、失われていた過去を取り戻す心理劇の要素が大きいです。
見えない部分を残した描写、どこか噛み合わない会話が、読んでいてもどかしくなるようなそれでいて想像をかき立てるような文章に、不安と恐怖を煽られました。
ミステリーや人の心の闇が引き起こすホラーがお好きな方々にお勧めしたいと思います。
主人公の女性は大雨の日に峠に差し掛かっていた。しかしそこで土砂崩れに遭遇し、道が閉ざされてしまう。先に来ていた男性二人に助けられ、二人と共に唯一の建物だった古びたドライブインに避難する。そこには数人の男女が既に避難していた。しかも、水分は残っていた野菜からとるしかないという状況。
不協和音が響く中、避難していた男性の一人が惨殺死体となって発見される。助けはなく、外との連絡もつかない。逃げられる道もなく、犯人はまだここに潜んでいる。もしかしたら、避難者の中に殺人犯がいるかもしれない。不協和音はさらに軋みを上げていく。そんな中、第二の犠牲者が出る。
主人公は疑心暗鬼と推理戦の中、気を失ってしまい……。
この中に犯人はいるのか? 誰かが嘘をついている? 犯人の動機は?
謎が謎を呼ぶクローズドサークルミステリーが幕を開ける。
しかも、それだけでは終わらない。
推理していくと、読者の方まで疑心暗鬼に捕らわれる一作でした。
主人公の記憶が鍵らしいのですが、謎が次々と湧いてきて、ぞくぞくします。
是非、御一読下さい。
土砂崩れで塞がれ、脱出できなくなった旧道。嵐に追われ、とっくに営業しなくなった、いわば廃墟のドライブインに、やむなく集まる登場人物たち。しかも皆どことなくクセが強い。外には野犬の群れ。そしてドライブインの一角には、誰かが過ごしていたらしい痕跡が。……「何か」が起こるにはもう十分な舞台だろう。そしてやっぱり「何か」が起きた。しかも、ついさっきそこにいた人がもう倒れている、という「速さ」で。「絶対何かあるよね」とつぶやいたら何かが襲ってくる……というより、「絶対な」と言いかけたところで足をすくわれる、に近い感覚。ミステリージャンルではあるが、暗闇から伝わる恐怖はホラーのようだ。
当レビュー筆者は第一章を読了した段階。事件としてはとりあえずひと段落を迎えたらしい。が、冷静な立場から事件を眺めていた主人公にも、どうやら秘密があることがわかってきて、事件の謎は解けるどころか深まっている。この事件にどんな真相が隠れているのか、まだまったく見当がつかない。それでいて、蟻地獄に半分のまれているようなものだ。怖いのに、見届けないと落ち着けそうにない。
なにこれすごく面白い!思わず引き込まれました!
主人公はある町に取材へ向かう途中の女性。
連休の渋滞を避けて山深い旧道を走っていたところ、台風による土砂崩れで足止めを食らってしまいます。
さいわい先に立ち往生していた二人の男性・遠藤と田所とともに、近くの廃ドライブインに避難するのですが……。
陸の孤島、いわゆるクローズドサークル的な舞台で起こる出来事にぐいぐい引き込まれました。
登場人物同士の不和や事件とは直接関係なさそうな「自然の脅威」が次々と襲いかかり、息が詰まるような緊張感が続きます。
絶えず不穏な気配が漂い、誰も彼もが怪しく見える——まさにタイトルの通り。
真相がどうなるのか、続きを読まずにはいられません。
サスペンスやホラーが好きな方には特におすすめしたい一作です!