罪と臭

天音空

告白

たったいま彼を殺しました。


食器用洗剤で洗っても、

アルコール消毒でこすっても、

ウタマロで祈るように擦っても、

消臭スプレーを噴射しても、

置き型消臭剤を並べても、

空気清浄機を全力で回しても——


彼の存在は、消えません。


誰か!

カメムシの“体臭”

消し方教えてください!


……臭すぎて、吐きそうです。


【了】



※最後までお読みいただきありがとうございます。

その後のことにつきましては「近況ノート(朝刊)天音家でカメムシ不法侵入事件 体臭、毒ガス級の威力」に綴りました。

お目通しいただければ幸いです。 天音空

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

罪と臭 天音空 @iroha_no_karte

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画