最終話 女王様だからである
わたしは決心していた。
もうわかったのだ。
夜の公園はとても冷え、外灯の光は一層透明度の高い明るさでわたしとベンチを照らしていた。ロングコートの中ももっと厚着してくれば良かったと後悔した。
「ごめんね。お待たせ。
「遅いわ。それと、わたしのことは
彼は驚いたように目を見開いていた。
あれから彼には女王様として接してない。彼の中でもあのやり取りは終わったものだと思い込んでいたようだ。
「さ、
迷っているようだ。それはそうだろう。彼はもう
「あなた、
「そ、それはその……」
「あなたが誰と付き合っても、あなたの性癖が変わることはないわ。そしてそれが解消されない環境に、本当はフラストレーションが溜まっていたはずよ」
「それはその……」
彼が迷っている間に、わたしはコートのボタンを外した。前裾を持って開く。
「ええ!?」
彼が驚くのも無理はない。わたしが今彼に見せつけているのは、『ギンガムチェック』で借りて来たエナメルの衣装なのだ。制服では押さえつけられていた大きな胸が、今は惜しげもなくその輪郭を強調している。ポケットから鞭を取り出して、ベンチを叩くと乾いた音が響いた。さあ、これで、わたしからできる限りの環境は提供した。
彼の喉が鳴り、口元がわななくのを見逃さなかった。我慢の限界ね。
「あなたがその性癖を隠し通せるのならいいけれど、それは無理よね。だってあなた、わたしにお仕置きして欲しいあまりに、日直の仕事をミスしまくっていたもの。あなたはきっと
「それは、嫌です」
「そうならないように、わたしがあなたのMの領域を満たしてあげようって言ってるのよ。悪い話じゃないわ」
「お気持ちは嬉しいですけど、でもそれって浮気になりませんか?」
わたしはギャグボールをポケットから取り出して
「なるわよ?」
あっけらかんと言うと、彼は目を剥いて怯えるような表情を見せた。そんな彼の耳元に唇を近付ける。
「でも、浮気がバレたら……どうなるかしら? 想像してみて?
口に嵌められたギャグボールから唾液がダラダラと垂れ始めた。言葉でどれだけ取り繕っても、もはやそれが答えのようなものだ。
「ふふっ。まるで犬ね」
わたしは持っている鞭でやさしく彼の太ももを叩く。
「ほら、犬らしくなさい。できたら夜のお散歩をしてあげるわ」
すると彼はためらいなく膝と掌を地面についた。
「あなたは
彼は嬉しそうに「うー」と声を上げ頷いた。
これでこれからも
なぜわたしが女王様なのか。それは学級委員長として
ではなぜ
オタクに厳しいギャルに虐げられている彼の青春を矯正するために女王様になります。学級委員長として! 詩一 @serch
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