概要
改心は、償いではない
(冒頭)
人は、過去を忘れて生きることができる。しかし、過去が消えることはない。ドラゴンボールという物語の中で、この問題を最も象徴的に体現しているのがベジータという存在である。ナメック星での彼はまさに「悪」であった。ドラゴンボールを奪うためにナメック星人の村を襲い、抵抗した戦士を前に冷たく笑って放った言葉――「じゃあ、死ね!」。その一言に迷いも痛みもなく、ただ自分の欲望と野心のために命を奪った。あの瞬間、彼の心には正義も哀れみも存在しなかった。だがその同じ男が、後に「地球のために戦う戦士」として描かれる。かつて殺戮を繰り返した者が、悟空や仲間たちと共に様々な敵と戦い、地球を守る立場になる。少年漫画の文脈では、これは“成長”として肯定される。しかし、倫理という視点から見ると、そこには大きな齟齬がある。
人は、過去を忘れて生きることができる。しかし、過去が消えることはない。ドラゴンボールという物語の中で、この問題を最も象徴的に体現しているのがベジータという存在である。ナメック星での彼はまさに「悪」であった。ドラゴンボールを奪うためにナメック星人の村を襲い、抵抗した戦士を前に冷たく笑って放った言葉――「じゃあ、死ね!」。その一言に迷いも痛みもなく、ただ自分の欲望と野心のために命を奪った。あの瞬間、彼の心には正義も哀れみも存在しなかった。だがその同じ男が、後に「地球のために戦う戦士」として描かれる。かつて殺戮を繰り返した者が、悟空や仲間たちと共に様々な敵と戦い、地球を守る立場になる。少年漫画の文脈では、これは“成長”として肯定される。しかし、倫理という視点から見ると、そこには大きな齟齬がある。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!流行に一石を投じる倫理の視点。
私はDBを表面しかなぞっておりませんが、内容にたいへん共感しました。
いわゆる恋愛ジャンルにおける反社モノの構文ですね。
元ヤンやら極道やらの溺愛ジャンル。
社会不適合だけど自分だけに優しいヒーロー、ヒロイン。
ギャップ萌え大いに結構。私も好きです。
でもちょっと待って!
その人社会的に悪い人ですよ?
突然◯◯の仇!とか言って自分が襲われる可能性もありますよ?
リスクごと愛せますか?
もしくは相手の性根を叩き直せますか?
あなたのいない所でまだ悪い事してませんか?
悪人は更生できないという事を言っている訳ではもちろんありません。
あくまでも創作の倫理について…続きを読む