これは、或る意味、人間賛歌。

慎ましい生活を送る、真面目でけなげな印象の語り手の独白が進むにつれ、アレアレと云う間にその印象が裏返って行き……。
最後に、ドカン、とかましてくれます。

”いってはいけない”

タイトル通りの決して口にしてはいけない言葉を、語り手が堂々と口にするラストは、ある種爽快とも言えます。恐らく、大部分の読者たちが口にせずとも心の何処かで感じていた事を、明け透けに抉り出して見せる語り手の一言。

だからこそ、此処までの衝撃を読む者に与えるのだと思います。
建前だの、誤魔化しだのの一切無い真っ正直なラストの一文に、あなたも存分に打ちのめされて下さい。

正直、此処まで衝撃を受けた作品は久々でした。お勧めです!

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