粗末な食事
- ★★★ Excellent!!!
物語の中に出てくる粗末な食事。
それに惹かれる時がある。
北野武監督の『座頭市』
劇中に出てくる場末の酒場。
そこのツマミは不味い。
常連客も、
「コレ、不味いな」
そう言って、杯を重ねる。
店の中には、いつから下げているかわからない目刺しがぶら下がっている。いかにも硬く。臭ってきそう。
北野武監督は子どものころ見た西部劇映画で、ガンマンたちが夜に焚き火を囲んで食べていた食事を覚えているそうだ。
「何だ、また豆の煮たやつか」
ガンマンがぼやきながら食べる。
このお作品にも、粗末な食事が出てくる。
『黒パンと豆のスープ』
『干し肉と酸っぱいキャベツ』
かったい黒パンに豆だけ煮たスープ。
干し肉。きっとコレも、かったい!
惹かれる。
スゴく、惹かれるのだ。
『風の谷のナウシカ』に出てくる
チコの実。
『ドラゴンボール』に出てくる
仙豆。
物語に出てくる粗末な食事は、人を惹きつける。
そして、それを描いた作品は名作ばかりである。
もちろん、
このお作品もそれに負けないくらいの名作である。