現代ダンジョンものの王道を征きつつも爽快感とキャラクターの魅力

本作は、いわゆる「現代ダンジョンもの」の王道を征きつつも、独特の爽快感とキャラクターの魅力で読者を引き込む作品です。

作品の概要物語の舞台は、突如としてダンジョンが出現した現代日本。
主人公は、才能に恵まれず、ダンジョンの死骸などを片付ける「掃除屋」として日銭を稼いでいた底辺の探索者です。

しかし、ある出来事をきっかけに神話級の双剣を手に入れたことで、その運命が激変していきます。
底辺からの下克上という圧倒的カタルシス本作の最大の魅力は、虐げられていた主人公が、規格外の武器を手に入れることで周囲の評価を覆していく「成り上がり」の描写です。
単に武器が強いだけでなく、これまでの掃除屋としての経験（魔物の生態への理解や、泥臭い立ち回り）が強さに説得力を与えています。

スピード感のあるストーリー展開テンポが非常に良く、いわゆる「溜め」の期間から「解放（無双）」までの流れがスムーズです。読者がストレスを感じる場面が少なく、エンタメ作品として非常に「引き」が強く面白いです。