双剣無頼 ~現代ダンジョンで雑魚狩りしてた底辺掃除屋、神話級の剣を手に入れてしまう。しかも二本~
モモンガ・アイリス
章前
聖剣と妖刀
聖剣『ライトブリンガー』
かつて地球に融合する以前の異世界で勇者が振るっていた聖剣。精霊たちが星屑を集め、古竜が体内で鍛え、古竜の死と共に生まれた「
所有者の魂と接続し、所有者以外の使用を拒む。
非常に頑強ではあるが刃は鈍く、手を滑らせても肌を斬れないほど。斬撃は剣に込められた魔力刃によるもので、むしろ魔力衝撃で「打ち据える」剣撃が本領。これは不死や悪魔、魔法生物などを滅ぼす聖剣としての機能であり、それらに対しては単純な斬撃が有効でないため。
副次的に「手加減」においては非常に有効であり、死なない程度に打つ、という攻撃を任意で行える。かつての使い手であった勇者は、この特性によって対人戦でほぼ死者を出さなかったという。
発生の経緯から来る神性と聖性を備えるが、使い手が善なる者である必要は、実はない。以前の使い手であった勇者が偶然に善性の強い人物であっただけであり、ライトブリンガーそれ自体に意思はない。
剣長一メートル、剣幅十八センチの片手半剣。
鍔に装飾の施されたフックがあるが、これは勇者がドワーフの職人に頼んで取りつけさせた実用金具。非使用時は鈍い鉄色。使用時には蒼白の発光を伴う。
妖刀『
一九九九年の世界融合の歪みによって生じた妖刀。
元となったのは無名の侍が持っていた無銘の刀であり、山中で山賊を斬り伏せた侍は、折れた刀をその場に打ち棄てた。
この無銘刀を依り代に、無数の戦の記憶が世界融合の歪みと共に収束し、妖刀『禍月』として固定された。
刀の形をしているが、その本質は「対象が切断された未来」を引き寄せる呪具。刀を振る、刀で刺す、等の動作は呪術を発生させる術式である。世界の歪みによって生じた呪いである以上、世界に存在するものであれば例外なく「切断」可能。
使用者に無数の戦の記憶を流入させ、強制的に使用者を『達人』へ変貌させる。また、呪具であるが故に鞘はなく、使用者の魂と一体化することで呪いを発動するため、強いて言えば使用者自身が鞘となる。非戦闘時は体内(魂の中)に格納されており、使用時には妖刀を体内から引きずり出すことになる。
ライトブリンガーと同様、刀それ自体に意思はないが、使用者へ流入する「戦いの記憶」の効果により、戦闘時に使用者の意思を無視して最適行動を半強制する。これはあくまで「そのような性質を持っている」のみであり、刀それ自体が血を求めている、というような意思や方向性があるわけではない。
刀身二尺三寸(七十センチメートル)、赤黒の刃、黒い鍔、黒い柄。柄尻の飾り紐は使用者の手首に緩く巻きつく。使用者の魂と一体化した呪具という特性がこの飾り紐に現れており、たとえば刀を投げても落としても、紐を引けば一瞬で手元に戻る。紐は伸縮するが、必要以上に刀を使用者から離すことはできない。
戦闘終了時には粒子化して「空間上に溶けていく」ように見えるが、使用者の体内に格納されている。
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