アヌビスお兄さんの『ワクチン』ってなぁに?
隅田 天美
やぁ、三度、アヌビスお兄さんだよ!
序
やあ、エジプト神が本職のアヌビスお兄さんだよ。
今日は、ミイラ作りとか死後の世界の話じゃない。
もっと君たちに身近な話。
これから流行る風邪・インフルエンザ・コロナなどで君たちが打つ『ワクチン』の話だ。
--難しい?
そんなことはないよ。
今回は出来るだけ、みんなと分かりやすく勉強するよ。
1
君たちは仮面ライダーやウルトラマンが大好きだね。
でも、君たち一人一人の中にもヒーローが沢山いるんだよ。
映画『はたらく細胞』を観た人なら分かるだろうけど、体には「免疫ヒーロー」がいる。
外敵を感じて集団でやっつける「体内戦隊白血球ジャー」
一人で立ち向かう「ナチュラルキラー細胞ライダー」
司令官である「ヘルパーT細胞」隊長
他にも個性的な仲間や外のウィルスを回避するために皮膚や涙があるだよ。
でも、完璧なチームワークでも敵の顔を知らなければ対処しようがないんだ。
ゲームでも初見殺しってあるでしょ?
あれと同じ。
そこでお医者さんは注射器を使って新型ワクチンや体に害をなす病原菌態を弱体化した、特徴を描いた似顔絵と着ぐるみをメッセンジャーRAMという郵便屋さんに体の各所に配る。
すると、「こいつは、敵だ!」と攻撃する。
とても雑に言うと「予行練習」をするんだ。
みんなも練習なしに泳げないし、前回りできないよね?
それと同じだよ。
そして、免疫はウィルスを二週間かけて覚えていくんだ。
2
アヌビスお兄さんも業務命令でアぺプさんから注射を受けたよ。
ラインのフレンド登録しているメジェト君から「注射したら発熱するから、保冷剤と冷却ジェルを用意して。あと、眠気もあるから自動車の中で眠れるように安眠グッズも必要だよ」とメッセージが来た。
最初は「オーバーだな」と思ったけど、打ってすぐ注射された腕が痛くて痺れるんだ。
急いで冷却ジェルで冷やすとだいぶマシになったよ。
あと、凄く眠くなる。
会場から注射場に戻って車の中で俺、寝たもん。
3
みんなのお父さん、お母さん、もしかしたら、お祖母ちゃんやお爺ちゃんの中には『ワクチンは悪だ!』という思い込みで打たせないように使用する場合がある。
偉い政府やニュースを読む人、中には学者さんさえも『ワクチンは分からないから悪』と決めつける人が多い。
『実は悪い大人が金儲けでやっているのではないか?』
でもね、人間の半分以上は水。
他、炭素や水素や窒素で出来ている。
人の免疫システムは非常に素晴らしいけど、完璧ではない。
医療も完璧ではないけど、その人の免疫システムを『ワクチン』と言う形でサポートするよ。
ここで、スペシャルゲストのVTRを流すよ。
毒舌評論家で有名な孔子のインタビューだよ。
VTR再生。
孔子「……あー、難しい話をする奴は基本バカだと思って無視していい。考えてもみなや、お前ら、アメリカ人にアフリカ語で話すか? 中国人にドイツ語で話すか? 言葉はツール。道具だ。意思疎通ができない言葉で自慢されたって何の役にも立たねぇ…… あ、アヌビスの兄ちゃん、今度の麻雀……」
強制終了。
4
大抵の大人にとってコロナもインフルエンザも風邪も沢山食べて養生すれば治るんだけど、君たちのように抗体たちが経験値不足だったり逆に抗体たち自体が弱っていると、これらは大ダメージになる可能性が大きくなる。
だから、あらかじめ無毒化した(=似顔絵)の敵を知ることで、予行練習ができる。
ただ、極稀にだけど、アナフラキシー症候群などで亡くなる方がいるのは事実。
この場合、医療機関が死亡特定をする。
持病の有無やワクチン自体に問題があったか……等々
また、未来予測的な不安を煽ることもあるけど、人間の予想なんて当たるのかなぁ?
5
世間の司令塔である政府やお役所は、十二分な研究や流通の確保、ただし一機器のキャンペーンなどをしてほしいね。
でも、最後は君たち一人ひとりが、どう考え、どう意識し、どう行動するかだ。
アヌビスお兄さんからお願い。
・ワクチンや予防接種は必ず受けましょう(ただし、持病や不安のある方は信用できるかかりつけ医などに相談するのもあり)
・外から帰宅したら手洗い・うがい
・飛沫拡散をしないようにマスクをつけ、群れず、換気をする
・睡眠もご飯も十分にとる
・SNSや噂話、怪しい情報番組のシェアなどはしない
・「自分は平気でも弱い人を守るため」という正義の心!
なお、2のワクチン接種は私(作者)の実体験を書いております。
アヌビスお兄さんの『ワクチン』ってなぁに? 隅田 天美 @sumida-amami
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます