リサ先輩!冒険版…です……
ところが、リサ先輩は、もっと私を支配してくれようとしていた。
「でさ、ルリちゃん。“ほぼひも”は私の命令があるときに、はいてくるとして」
「は、はい……」
「“冒険”のほうは、明日、はいてきても、いいのよ?」
「えっ……?」
「どう? さっそく、はいてくる?」
「……それは、リサ先輩の、命令、ですか?」
リサ先輩は、クスクス笑いながら答えてきた。
「命令……じゃないわね。はいてくるかどうかは、ルリちゃんに、まかせるわ。」
「わ、わかりました……」
どうしよう、まかせる、だなんて言われちゃった……。
**
次の日の朝、私は、胸の奥がざわざわしていた。
「“冒険”のほう、どうしよう……」
リサ先輩は、「命令」ではないと言った。
……いっそのこと、「命令」の方が、気が楽だ。
だってどうせ、リサ先輩の「命令」にさからえるはずがない。
リサ先輩は、私を、試している?
「“冒険”……を、は、はいていくんだ……」
それが私の選択。“冒険”をそっと手に取って、身に着ける。
布の面積が控えめで、サイドが細いストラップ状になった冒険バージョン。
これをはくと、普段感じないような不思議な感覚が体に広がる。
頬は熱くなり、胸の奥がちくちくと甘く痛むようで、思わず呼吸が浅くなる。
「……こんな気持ちになるなんて……」
一人、鏡の前で小さく息を吐きながら、自分の決意を確かめる。
学校に着くまでの道のりも、心臓は落ち着かない。
リサ先輩に今日会うことを思い浮かべるたび、胸の奥が甘くざわつき、はずかしさで頬が燃える。
**
放課後の部室。
先輩はいつも通りの笑顔で座っているけれど、私の胸の奥は緊張でいっぱい。
「……ルリちゃん、今日、はいてきた?」
――なんて感じで、リサ先輩は確認してくると思ったのに、リサ先輩は全然、確認してこない。
やっぱり、リサ先輩は、私を試しているんだ。
私が自分で、“冒険”をはくことを選んで、それをちゃんと、報告できるか、ってことを。
「あ、あの……リサ先輩……」
思わず体がこわばる。
しっかりはいてきたのに、口に出すのはとても勇気がいる。
「どうしたの? 私のかわいいルリちゃん?」
「……ちゃ……ちゃんと、はいてきました……」
「何のこと? はっきり言ってくれないと、分からないな」
「……っ!」
リサ先輩は、絶対に分かってて、とぼけている。
どうしても私に、言わせたいんだ。
「ぼ、“冒険”のショーツを、ちゃんと……」
小さな声で答えると、先輩は少し首をかしげる。
「ふーん……言うだけじゃ本当か分からないな」
にこやかに言われて、胸がぎゅっとなる。信じてくれないの?と、内心あせる。
「……信じてくれないんですか……?」
ふるえる声で聞くと、先輩はさらにいたずらっぽく笑う。
「確認、させてほしいな」
「……確認、だなんて、どうやって?」
はずかしくて、リサ先輩から視線を逸らす。
「どうやって確認させるかは、自分で考えなさい」
先輩の声はやわらかいのに、言葉の重みで背筋がピンとする。
少し考え込む。
頭の中は赤く熱くなり、どうすれば先輩が納得してくれるかがぐるぐる回る。
「……そ、それじゃ……」
小さく息を吐き、思いついた方法を口にする。
「その……ちょっと手で触ってもらって、確かめてもらう……とか……」
言いながら顔が真っ赤になり、心臓が破裂しそうだ。
先輩は目をかがやかせて、にやりと笑った。
「ふふっ……そういう方法ね。ルリちゃん、はずかしがりながら、しっかり考えたのね」
その言葉に、胸の奥が甘くふるえる。
先輩の期待に応えようとする自分と、はずかしくて逃げ出したい自分がせめぎ合う。
でも、心のどこかで、先輩に喜んでもらえるなら……と、小さな勇気を振りしぼる。
「……はい……それで……」
言い終わると、先輩は満足そうに微笑み、また少しだけ私の肩に手を添えた。
胸の奥はまだドキドキしている。
でも同時に、甘く、溶けるような幸福感が、私の全身を包む。
リサ先輩に、ちゃんと受け入れてもらえた――そんな気持ちで、私は頬を熱くさせながら、かすかに息を整えようとする。
次の更新予定
5週ごと 日曜日 15:54 予定は変更される可能性があります
リサ先輩との妄想勝負も、いつも私の完敗です!~妄想ヒロインは、今日も先輩に恋してる~ Çava @survibar
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