概要
味方のほうが、手に負えない。
県立巴陵(はりょう)高校の二年、綴喜湊(つづきみなと)には趣味がある。壊れたものを直すことだ。
軋む椅子、閉まらない窓、映らないプロジェクタ、鳴らない始業チャイム。頼まれてもいないのに工具箱を提げて直して回る。壊れたまま放置されているのが気持ち悪いから、それだけだ。
四月半ば、その湊が、クラスの中心にいる白瀬咲良(しらせさくら)に告白される。
翌日、それが罰ゲームの嘘告だったと、教室の全員の前で明かされた。仕掛けたのは生徒会長・神鳥谷蓮(ひととのやれん)。「工具持ってウロウロしてる奴が本気にすると思わなかった」と笑いが起きた。
湊は怒鳴らなかった。ただ、その日から工具箱を開けるのをやめた。
やめただけだ。だが五月、プロジェクタが死に、放送室が落ち、二年棟の空調が一台ずつ止まり、体育祭の
軋む椅子、閉まらない窓、映らないプロジェクタ、鳴らない始業チャイム。頼まれてもいないのに工具箱を提げて直して回る。壊れたまま放置されているのが気持ち悪いから、それだけだ。
四月半ば、その湊が、クラスの中心にいる白瀬咲良(しらせさくら)に告白される。
翌日、それが罰ゲームの嘘告だったと、教室の全員の前で明かされた。仕掛けたのは生徒会長・神鳥谷蓮(ひととのやれん)。「工具持ってウロウロしてる奴が本気にすると思わなかった」と笑いが起きた。
湊は怒鳴らなかった。ただ、その日から工具箱を開けるのをやめた。
やめただけだ。だが五月、プロジェクタが死に、放送室が落ち、二年棟の空調が一台ずつ止まり、体育祭の
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