概要
その「おいしい」は、誰に言ってた?
高2の東雲奏太は、幼馴染の柊木莉子に十年間、毎朝弁当を作り続けてきた。母を亡くした莉子が「奏太のごはんだけは食べられた」と言った、あの日から。
だが文化祭の日、奏太は偶然聞いてしまう。莉子が先輩彼氏に「私の手作り」として弁当を渡していたこと。「あいつ、料理しか取り柄ないから」という笑い声。
翌朝から、奏太は弁当をひとつしか作らなくなった——自分の分だけ。それだけのことで、莉子の日常は静かに壊れ始める。彼氏は「手作り」が消えた途端に冷め、莉子は今さら台所に立ち、十年分の「おいしい」の意味を思い知っていく。
一方の奏太は、弁当の写真を上げていたSNSがきっかけで、隣のクラスの「あの」自炊系配信者・観月ひなたと放課後の料理部で出会う。
これは、尽くす場所を間違えた男が、ちゃんと味わってくれる人と出
だが文化祭の日、奏太は偶然聞いてしまう。莉子が先輩彼氏に「私の手作り」として弁当を渡していたこと。「あいつ、料理しか取り柄ないから」という笑い声。
翌朝から、奏太は弁当をひとつしか作らなくなった——自分の分だけ。それだけのことで、莉子の日常は静かに壊れ始める。彼氏は「手作り」が消えた途端に冷め、莉子は今さら台所に立ち、十年分の「おいしい」の意味を思い知っていく。
一方の奏太は、弁当の写真を上げていたSNSがきっかけで、隣のクラスの「あの」自炊系配信者・観月ひなたと放課後の料理部で出会う。
これは、尽くす場所を間違えた男が、ちゃんと味わってくれる人と出