概要
壁の向こうで、あの子が泣いている。わたしは、記録をつけはじめた。
築四十年の団地に越してきた坂上深雪は、明け方、壁の向こうから子どもの泣き声を聞いた。
低い女の声。短く区切られた言葉。そして、どん、という音。
隣の四〇四号室に住んでいるのは、挨拶を返さない若い母親と、六歳の娘だった。
誰かが見ていなければならない。
深雪はノートを買い、日付と時刻と、聞こえた音を書き留めはじめる。
これは、正しいことをしようとした人の話。
――全13章・完結。グロテスクな描写はありません。
低い女の声。短く区切られた言葉。そして、どん、という音。
隣の四〇四号室に住んでいるのは、挨拶を返さない若い母親と、六歳の娘だった。
誰かが見ていなければならない。
深雪はノートを買い、日付と時刻と、聞こえた音を書き留めはじめる。
これは、正しいことをしようとした人の話。
――全13章・完結。グロテスクな描写はありません。
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