概要
踊り場を数えながら降りろ。十四を数えたら、戻れ。
六年前、私は暇つぶしに掲示板へ作り話を書いた。「七度目の踊り場」。七階建ての階段を、午前二時に、一度も振り返らずに降りる。踊り場は全部で十三ある。十四を数えたら、それ以上降りてはいけない——。
一行も体験していない。全部その場で考えた嘘だ。
その嘘を検証した配信者が、死んだ。
アーカイブに異常は映っていない。彼は十三を数えて一階に着き、笑って配信を切っている。死んだのは、その三十分後だ。
四回目に見返したとき、私はコメント欄に気づいた。
彼が「じゅう」と言ったとき、四百人の視聴者は、11と打っていた。
嘘だと知っているのは、それを書いた私だけだった。
一行も体験していない。全部その場で考えた嘘だ。
その嘘を検証した配信者が、死んだ。
アーカイブに異常は映っていない。彼は十三を数えて一階に着き、笑って配信を切っている。死んだのは、その三十分後だ。
四回目に見返したとき、私はコメント欄に気づいた。
彼が「じゅう」と言ったとき、四百人の視聴者は、11と打っていた。
嘘だと知っているのは、それを書いた私だけだった。
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