概要
——この世界の人々は、まだ『0』を知らない。
突出した古代の技術を受け継ぎながら、算盤以上の計算はできない――無を恐れる教義と古い記術が支配する鐵の時代。長く続いていた斜陽の大帝国は、蛮族と侮っていた北方からの侵攻を受ける。
十歳の少年シェロは、師ヘクトルに従って動乱の渦中に身を投じた。
皇女アイラとの出会いを機に、巨大な『鐵騎』や敵側の異形の兵機『鋲』が行き交う苛烈な戦火の中に足を踏み入れていく。少年には理解しがたい理不尽な暴力と政争、世界の裏で暗躍する謎の組織――。
数々の喪失に見舞われながらも、敬愛する者たちとの誓約を胸に、死線を越えた絶望の先で「心殿」に目覚め、そして世界をひっくり返す文明の萌芽「ゼロ」の知恵を授かる。
過酷な運命に弄ばれながらも、少年は己の内に刻まれた記憶と誇りを糧に成長し、世界の歪みに抗う「閒」の術を模
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- ★★★ Excellent!!!怖いのに目が離せない、鐵騎と少年の戦記
鐵騎や鋲という兵器の存在にまず心をつかまれました。
強くて格好いいはずの鉄の騎士たちが、読み進めるほどに、ただの憧れでは済まない重さを帯びて見えてきます。特にシェロくんはまだ幼くて、強い騎士や大きな鐵騎に胸を躍らせるところが可愛いです。でもその目の前に、避難民や負傷兵、雨の中で動く無骨な兵機が現れて、憧れだけでは済まない現実が少しずつ迫ってきます。そこがとても丁寧で、印象に残りました。ジノーンのような巨大な存在も格好いいのですが、泥の中で地味に動く敵の兵機にも妙な説得力があって、戦場が絵ではなく「仕組み」として見えてくるのが面白いです。
怖いのに、先が知りたくなる。シェロくんと一緒…続きを読む