概要
神も魔王も、土俵に上がればただの相手だ。
大相撲の結びの一番、その最中――大関・岩流山は、突如として異世界へと落とされた。そこは、神々の残した「聖痕」を持つ者だけが正義とされ、持たぬ者は“泥の民”として虐げられる、神に見捨てられた世界だった。魔法も、スキルも、神の加護もない。岩流山にあるのは、百六十五キロの巨体と、長年の稽古で鍛え上げた肉体。そして、四股、突っ張り、上手投げ――ただひたすらに磨いてきた大相撲だけ。異世界で出会った少女シリカを救うため、岩流山は巨大魔獣を真正面から受け止める。「はっけよい――のこった!」神の奇跡が絶対とされる世界で、一人の力士が、人間の肉体と相撲の誇りだけを武器に“世界の常識”を寄り切っていく。神棄ての大地を土俵へ変える、大関・岩流山の異世界巡業譚。