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概要
守るための婚約が、ふたりの運命を変えていく。
陽歴一九一五年、帝都。
借財を抱える子爵家の令嬢・篠宮ハルは、身分を隠して叔父の営む喫茶ルミエールで女給として働いている。異能者が社会を支えるこの国で、彼女の力は「ほんの少し空気を操るだけ」──のはずだった。
ある日、店を訪れた軍人華族・碓氷清貴を、ハルは無意識の異能で昏倒させてしまう。帝都を守護する名家の嫡男にして、特殊霊害対策班に所属する清貴が見抜いたのは、ハルの力の本当の正体。それは空気ではなく、周囲の霊力そのものを移動させる、前例のない異能だった。
「そこで婚約だ」
能力の保護と訓練、そして華族令嬢が軍へ出入りするための名目として、清貴が提案したのは期間限定の婚約。家の借財まで援助してもらえると知り、ハルもこれを受け入れる。
とはいえ、借財がなくなっても、自分の人生まで誰かに預
借財を抱える子爵家の令嬢・篠宮ハルは、身分を隠して叔父の営む喫茶ルミエールで女給として働いている。異能者が社会を支えるこの国で、彼女の力は「ほんの少し空気を操るだけ」──のはずだった。
ある日、店を訪れた軍人華族・碓氷清貴を、ハルは無意識の異能で昏倒させてしまう。帝都を守護する名家の嫡男にして、特殊霊害対策班に所属する清貴が見抜いたのは、ハルの力の本当の正体。それは空気ではなく、周囲の霊力そのものを移動させる、前例のない異能だった。
「そこで婚約だ」
能力の保護と訓練、そして華族令嬢が軍へ出入りするための名目として、清貴が提案したのは期間限定の婚約。家の借財まで援助してもらえると知り、ハルもこれを受け入れる。
とはいえ、借財がなくなっても、自分の人生まで誰かに預
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