概要
君が死ぬたび、指輪だけが覚えている。
婚礼の朝、俺が預かった花嫁の指輪の内側に、見覚えのない文字が刻まれていた。『今度は、鐘が鳴る前に』。意味を掴めぬまま式は進み、大聖堂の白鐘が鳴った瞬間、花嫁セシリアは俺の腕の中で息絶える。視界が暗転し――目を開けると、また婚礼の朝だった。俺には何の記憶もない。ただ指輪の文字が一行増え、薔薇色の石は少しだけ色を失っていた。死に戻りの記憶を持っているのは俺ではなく、彼女の指輪だ。何も知らずに俺を愛する花嫁と、指輪の言葉だけを頼りに彼女を守ろうとあがく騎士。石の色が尽きるまでに、俺は鐘の秘密へ辿り着けるのか。守る側の焦りと、守られる側の無垢を描く、ループ守護ファンタジー。
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