概要
普通の救難員だった。――星を砕く一撃を、素手で止めるまでは。
シオン・ヴァレス、二十一歳。
仕事は星間救難艇の現場要員。
六年前より前の記憶も記録もないが、今では普通に働き、友人の航路官ユノや、やたら距離の近い配信者ミラたちと平和に暮らしている。
――そのはずだった。
宇宙港で逃亡した《戦略個体》の攻撃が、数十万人の暮らす居住区へ向かった日。
星を砕く力を、シオンは反射的に片手で受け止めた。
しかも、そのまま生身で宇宙に飛び出し、数千キロを殴り飛ばされ、追いつき、互角以上に殴り合ってしまう。
当然、管理機構は大騒ぎ。
ところが調べても、シオンをそんな戦士に育てた記録がどこにも存在しない。
育成履歴なし。
訓練履歴なし。
技術系統不明。
能力上限も不明。
本人だけが、一番何も知らなかった。
こうして普通の救難員だったシオンは、危険な
仕事は星間救難艇の現場要員。
六年前より前の記憶も記録もないが、今では普通に働き、友人の航路官ユノや、やたら距離の近い配信者ミラたちと平和に暮らしている。
――そのはずだった。
宇宙港で逃亡した《戦略個体》の攻撃が、数十万人の暮らす居住区へ向かった日。
星を砕く力を、シオンは反射的に片手で受け止めた。
しかも、そのまま生身で宇宙に飛び出し、数千キロを殴り飛ばされ、追いつき、互角以上に殴り合ってしまう。
当然、管理機構は大騒ぎ。
ところが調べても、シオンをそんな戦士に育てた記録がどこにも存在しない。
育成履歴なし。
訓練履歴なし。
技術系統不明。
能力上限も不明。
本人だけが、一番何も知らなかった。
こうして普通の救難員だったシオンは、危険な
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