概要
拾った男を侍女に仕立てたら、陛下に取られそうです。
「これで、朝から晩までわたくしの侍女ね」
わたくしは、拾ったものに名前をつける癖があります。
犬を亡くした日、門の外に男が倒れておりました。後宮に男を置けば、この宮の者は全員死にます。ですから、名を奪いました。前の玲の籍が、ちょうど空いておりましたので。
髪を結い、紅をひき、耳に穴を開けて、わたくしの耳飾りを挿しました。
衾も、手鏡も、紅入れも、わたくしの使いかけを回しました。
半月で、あの子の部屋はわたくしの匂いになりました。
よくできた侍女です。わたくしが仕立てたのですから。
――ですから陛下、どうかその子を、そんな目でご覧にならないでください。
【登場人物】
蘭華(らんか)
……二十一歳。西の宮の妃。扇と、白木蓮の下に埋めた犬。
可愛がるということを、物を
わたくしは、拾ったものに名前をつける癖があります。
犬を亡くした日、門の外に男が倒れておりました。後宮に男を置けば、この宮の者は全員死にます。ですから、名を奪いました。前の玲の籍が、ちょうど空いておりましたので。
髪を結い、紅をひき、耳に穴を開けて、わたくしの耳飾りを挿しました。
衾も、手鏡も、紅入れも、わたくしの使いかけを回しました。
半月で、あの子の部屋はわたくしの匂いになりました。
よくできた侍女です。わたくしが仕立てたのですから。
――ですから陛下、どうかその子を、そんな目でご覧にならないでください。
【登場人物】
蘭華(らんか)
……二十一歳。西の宮の妃。扇と、白木蓮の下に埋めた犬。
可愛がるということを、物を
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