概要
「愛して」と言えなかった女が、赤い糸で誰かを縛ろうとする物語。
母に「いらない子」と言われ続けて育った「私」は、愛されることを恐れながらも、誰かに必要とされたいという飢えを抱えて生きてきた。かつて授かった命を流産で失い、子宮も心も空っぽのまま。ある雨の夜、家出中らしき少女を見つけ、家に迎え入れる。優しさのつもりで少女の手首に結んだ赤い糸は、やがて相手を縛りつけるための鎖になっていく。「私を捨てて」という少女の願いをきっかけに、「私」は自分がかつて母からされたことを、そのまま少女に繰り返していたことに気づく——。愛し方を知らない者同士が、痛みを通して手放し方を学んでいく再生の物語。
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