概要
王太后だけが知っていた。その婚約を失ってはならない理由を。
王国東端の辺境を治める辺境伯家の令嬢エレナは、第一王子アルフレッドの婚約者として王都へ招かれる。
それは婚約を祝うための宴のはずだった。
しかし宴の席でアルフレッドは伯爵令嬢との恋を理由に婚約破棄を宣言する。
辺境の娘など王族には相応しくない。
会場に集まった貴族たちはそう言わんばかりに嘲笑し、国王もまた若者同士の問題として受け入れた。
だが、その場にいたただ一人だけ顔色を変えた者がいた。
病を押して宴に出席した王太后である。
「それだけは駄目……」
誰にも届かない声を漏らし、王太后は涙を流して倒れてしまう。
そして婚約破棄を受け入れた辺境伯は、悲しそうな表情を浮かべながら静かに言った。
「承知いたしました」
それだけだった。
怒りも抗議もない。
ただ受け入れただけ。
しかし、その日を境に王
それは婚約を祝うための宴のはずだった。
しかし宴の席でアルフレッドは伯爵令嬢との恋を理由に婚約破棄を宣言する。
辺境の娘など王族には相応しくない。
会場に集まった貴族たちはそう言わんばかりに嘲笑し、国王もまた若者同士の問題として受け入れた。
だが、その場にいたただ一人だけ顔色を変えた者がいた。
病を押して宴に出席した王太后である。
「それだけは駄目……」
誰にも届かない声を漏らし、王太后は涙を流して倒れてしまう。
そして婚約破棄を受け入れた辺境伯は、悲しそうな表情を浮かべながら静かに言った。
「承知いたしました」
それだけだった。
怒りも抗議もない。
ただ受け入れただけ。
しかし、その日を境に王
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