概要
夏休みの宿題から逃げたかっただけなのに農業の専門家たちが大騒ぎになった
夏休みの宿題を少しでも真面目にやらせようと、生物担当の黒田誠司先生は休みに入る前、俺たちに二つの選択肢を出した。
「一つ目。生物の課題プリントを六十枚、全部終わらせること」
「二つ目。砂漠でも育って、ちゃんと穂をつけるイネを作ってくること」
もちろん、誰もが分かっていた。二つ目は、宿題が多いと文句を言う俺たちを黙らせるために黒田先生が言った、ただの冗談だった。
だから夏休み明け、真っ白なままの六十枚のプリントを前にして、クラス全員が俺の末路を楽しみにしていた。
そんな中、俺は黙って机の横に置いた大きな帆布バッグへ手を伸ばした。
そして、中から黄金色の穂を垂らした一鉢のイネを取り出した。
根元にあるのは、水田の泥ではない。
白く乾いた、砂だった。
「一つ目。生物の課題プリントを六十枚、全部終わらせること」
「二つ目。砂漠でも育って、ちゃんと穂をつけるイネを作ってくること」
もちろん、誰もが分かっていた。二つ目は、宿題が多いと文句を言う俺たちを黙らせるために黒田先生が言った、ただの冗談だった。
だから夏休み明け、真っ白なままの六十枚のプリントを前にして、クラス全員が俺の末路を楽しみにしていた。
そんな中、俺は黙って机の横に置いた大きな帆布バッグへ手を伸ばした。
そして、中から黄金色の穂を垂らした一鉢のイネを取り出した。
根元にあるのは、水田の泥ではない。
白く乾いた、砂だった。
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