概要
毒見役を解雇した王宮では、今日も誰も食事ができない。
毒見役を解雇した王宮では、今日も誰も食事ができない。
伯爵令嬢リーゼロッテは王太子ユリウスの婚約者――という名の毒見役だった。殿下が寵愛する男爵令嬢ミレーユの茶会に侍り、五年間で三十二回、盛られた毒をこの身で受け止めてきた。その毒で荒れた肌を「王太子妃に相応しくない無能」と嗤い、殿下は宴の席で婚約破棄を言い渡す。
「謹んで、お受けいたします」
――ただし、最後のご奉公だけは果たしてから。
「殿下。その祝杯、毒が入っております」
彼女が去った王宮では、検毒官が全員辞職した。三重検査で冷めた皿が並び、王太子は水しか飲めない。壁を失った食卓で、五年間ただの一度も表沙汰にならなかった毒の手口が、はじめて「事件」として記録されはじめる。
一方の彼女は、北の「冷血大公」に舌ごと娶られていた。
伯爵令嬢リーゼロッテは王太子ユリウスの婚約者――という名の毒見役だった。殿下が寵愛する男爵令嬢ミレーユの茶会に侍り、五年間で三十二回、盛られた毒をこの身で受け止めてきた。その毒で荒れた肌を「王太子妃に相応しくない無能」と嗤い、殿下は宴の席で婚約破棄を言い渡す。
「謹んで、お受けいたします」
――ただし、最後のご奉公だけは果たしてから。
「殿下。その祝杯、毒が入っております」
彼女が去った王宮では、検毒官が全員辞職した。三重検査で冷めた皿が並び、王太子は水しか飲めない。壁を失った食卓で、五年間ただの一度も表沙汰にならなかった毒の手口が、はじめて「事件」として記録されはじめる。
一方の彼女は、北の「冷血大公」に舌ごと娶られていた。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?