概要
お上の無茶振りと、百姓の税の抜け穴。チート無双できないな平安お役所
目が覚めると、そこは長保二年(西暦1000年)の尾張国衙(おわりのこくが)だった。現代の効率化と簿記の知識さえあれば、日没までの業務など余裕で捌ける――そう高を括っていた元サラリーマン・ハジメの考えは木っ端微塵に打ち砕かれる。不眠不休で法律を暗記する狂気の上司、過去のデータを一瞬で引き出す同僚、そして法律の隙を突いて組織的な脱税をキメる狡猾な農民たち。人死にが日常のシビアな時代、ハジメは英雄になることを早々に諦めた。農民を救う聖人にも、国に殉じる忠臣にもならない。ただただ平穏を守るため、ハジメは今日も木簡の裏で、嘘と真実の「引き算」を淡々とこなしていく。チート無双できなかった、のほほんドライな平安お役所。
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