アテネのソクラテスの弟子にクセノポンと言う人がいた。
彼はギリシア人傭兵としてペルシア帝国に軍勢を引き連れて赴き、そこで帝国の跡目争いが起きて、傭兵団として雇われて戦った。
しかし、雇い主が戦死して、傭兵団は敵地で孤立してしまった。
軍勢を連れて脱出行を強いられたクセノポンは、その全知全能と武勇で何とか脱出には成功する。
これが物語の導入部分では、高遠城を脱出した保科五郎と合流しての上野への脱出行となり、その後には故郷である甲斐への帰還を企てての思慮深い故郷への帰還となる。
まだ起承転結の承の部分なのだろうが、今後の勝頼公を天下人にまで盛り立てる転には入っていない。
私的には、毎朝6時にこの小説を読むのが楽しみとなっている。
なお、アナバシスはアレクサンダー大王の遠征の際に凄い参考資料になったと言う事だ。
どの街からどの街まで徒歩何日と言う行程が完全に記録されていたからだ。
きっと、この世界の後世でも、勝頼公の辿った旅路と戦い、そして途中に起きた事々は千年に亘って語り継がれる事だろう。
小説にして叙事詩、それこそが本作なのだと私は評価している。