概要
「現実的に、その褒賞金を支払える可能性は、あるのですか?」
「勇者レクト・ヴァンフリートよ。そなたらの偉業に報いるべく、王国はかねてよりの約定に則り、褒賞金一億ゴルドをここに授与する」
七年に渡る戦いの末、魔王は勇者とその仲間によって倒され、勇者一行には巨額の褒賞金が贈られることとなった。
国中が勝利に湧いていた。
だが、その歓喜と祝福の中、勇者一行の僧侶にして会計係のミレーヌは、一人考えていた。
「一億ゴルドなど、払えるわけがない」
勇者は魔王を倒した。剣と魔法による戦いは終わった。
だが、その先に待っていたのは、到底払えるはずがない、それなのに払うと約束してしまった褒賞金をめぐる、途方もない帳尻合わせーー
勇者一行の「会計」ミレーヌの、交渉と計算による戦いが、今、始まる。