概要
名づけないことも、鑑定である。
神格鑑定局は、神格を鑑定する機関である。
本部鑑定審査課から、地方の夕浜支所へ異動となった瀬尾理久。
そこは局内で「地の果て」「保留箱」と呼ばれる、長期鑑定保留案件ばかりを抱えた支所だった。
横倒しのまま撤去できない旧夕浜線の車両。
消してもなお光る旧岬端灯台跡地の異常光源。
そして、廃止されたはずの旧夕浜町役場に残る、受理未了の窓口。
着任初日、瀬尾は一通の相談を受ける。
亡くなった母の遺品から、三日前の日付で押された「夕浜町役場」の受付印付き書類が見つかったという。
そこに書かれていたのは、ただ一文。
夫が、帰ってきません。
受け取ったが、受理ではない。
記録したが、番号は振らない。
名づければ、対象が変わってしまうかもしれない。
鑑定官である瀬尾は、やがてひとつの判断に辿
本部鑑定審査課から、地方の夕浜支所へ異動となった瀬尾理久。
そこは局内で「地の果て」「保留箱」と呼ばれる、長期鑑定保留案件ばかりを抱えた支所だった。
横倒しのまま撤去できない旧夕浜線の車両。
消してもなお光る旧岬端灯台跡地の異常光源。
そして、廃止されたはずの旧夕浜町役場に残る、受理未了の窓口。
着任初日、瀬尾は一通の相談を受ける。
亡くなった母の遺品から、三日前の日付で押された「夕浜町役場」の受付印付き書類が見つかったという。
そこに書かれていたのは、ただ一文。
夫が、帰ってきません。
受け取ったが、受理ではない。
記録したが、番号は振らない。
名づければ、対象が変わってしまうかもしれない。
鑑定官である瀬尾は、やがてひとつの判断に辿
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