概要
この人たちが人間じゃないなら——俺は、人間なのか?
約一万二千年前。現代の島が一つ、住民も都市もそのまま過去へ転移した。周辺数百キロに人の痕跡はなく、人々は結論に達する。この世界にいる人類は、自分たちだけなのだ。
補充のきかない医薬品、種子、燃料、知識、そして人口。人類を存続させるため、島は強大な統制権を持つ《中央禁止法》を制定した。それは実際に、多くの人を救った。
数十年後。国民の認知能力を測定し役割を決める制度《セレブレム》のもと、灰谷累人はどの適性にも属さない「灰色域」と判定された。そこから生まれた蔑称が《灰血》——役に立つ人間にも、保護される人間にもなれない半端者。彼自身も、いつしかそう信じていた。
境界部の物資管理という目立たない仕事に就いた累人は、立入禁止区域の近くで不自然な痕跡を見つける。同じ高さで折られた枝。石を削った跡。何か
補充のきかない医薬品、種子、燃料、知識、そして人口。人類を存続させるため、島は強大な統制権を持つ《中央禁止法》を制定した。それは実際に、多くの人を救った。
数十年後。国民の認知能力を測定し役割を決める制度《セレブレム》のもと、灰谷累人はどの適性にも属さない「灰色域」と判定された。そこから生まれた蔑称が《灰血》——役に立つ人間にも、保護される人間にもなれない半端者。彼自身も、いつしかそう信じていた。
境界部の物資管理という目立たない仕事に就いた累人は、立入禁止区域の近くで不自然な痕跡を見つける。同じ高さで折られた枝。石を削った跡。何か
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